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その子を、ください。(鮫島浩二)2023年05月07日 15時23分44秒

その子を、ください。
ボランティアとして、実親から育てられないとされた赤ちゃんを、養親に委託する養子縁組を仲介してきた産婦人科医の手記です。
ああ、こういう医師がいるのですね。
大変感動しました。
なぜ養子縁組の仲介をするのかと言えば、赤ちゃんの命を守るためです。
赤ちゃん、ファーストですね。
育てられない赤ちゃんは遺棄されることもあるし、殺されることもあります。
場合によっては母子心中になることも。
子殺しは生後0日が一番多いのです。
だから、生まれたばかりの新生児を養子縁組することに意味があるのです。

鮫島先生は勤務医だったころから、(この本を書いた2006年の時点で)17年にわたって仲介をしていたそうです。
もちろん、こういったことをやっても金銭的には何の利益にもなりません。
すばらしいことだと思います。

先生のクリニックのホームページも拝見しました。
「当院の目指すもの」を読んだら、まず最初に「特別な理由がない限り、妊娠中絶はしません。」という言葉が出てきました。
NIPT (新型出生前診断)をどんどんやってお金を儲けたい産科医がたくさんいる中で、この言葉はキラリと光って見えました。

こういう医師がいるということを知っただけでも、気持ちが暖かくなる1冊でした。
おススメします。