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リセットの習慣(小林弘幸)2023年03月19日 14時39分51秒

リセットの習慣(小林弘幸)
小林先生は順天堂大学医学部の教授。現在、臨床をやっているのかは存じ上げませんが、元はぼくと同じく小児外科医です。
ぼくが開業医になってから会う機会はなくなってしまいましたが、以前は学会場で顔を合わせれば、「まっちゃん!」と声をかけてくれました。

ぼくが小林先生と仲良くなったのは、日本小児外科学会の理事会のメンバー同士だったからです。
理事ではなかったのですが、理事たちを支えるメンバーにぼくも小林先生も入っていたのです。
30歳代後半だったと思います。

ところがさらに小林先生とは古い「因縁」があります。
ぼくも小林先生も医学部生のときはラグビー部に所属していました。試合をしたことがあるのです。
当時の順天堂医学部は関東でNo.1の実力でした。千葉大は第2グループ。なんとか勝ちたいと思って千葉大のグラウンドで試合をしました。
この試合で、うちの若手が小林先生に猛然とタックルし、小林先生に怪我をさせてしまったのです。
本当に申し訳なかったです。

お互い理事会のメンバーになったとき「あのときのタックルはきつかったよ!」と昔話で盛り上がりました。

さて、先生は、現在著名人になっています。本を書き、メディアに出演し、講演をして・・・大活躍です。
これまでに売れた本は、何100万冊なんでしょうか。それとも1000万に行っているのでしょうか。
とにかく大ベストセラー作家です。

健康に関する本がほとんどだと思うのですが、現在ヒット中の本書は「自己啓発書」とか「ビジネス書」に分類されるのではないでしょうか。
悪い流れを断ち切り、生き方をリセットする方法が99個も書かれています。

いや、これはちょっとすごいですね。ぼくには、そういった人生の知恵が99も思い浮かびません。
そういうアイデア力がヒットの秘密なんでしょうね。
もし、みなさんが何かに行き詰まっているなら、ぜひ読んでみてください。きっと参考になるヒントに出会うと思いますよ。

少子化は危機的状況2023年03月19日 20時14分13秒

一昨日、岸田首相が子育て支援と少子化対策について記者会見を行いました。
日本の少子化は危機的状況にあります。
22世紀になったら、日本は国家存亡の危機に陥っているのではないでしょうか。
自民党政権には、この状況を本気で改善する覚悟はあるのか疑問に思えます。

岸田さんが対策の柱として挙げたのは、若い世代の所得増、社会全体の構造・意識改革、すべての子育て世帯への切れ目のない支援の3つです。
総論として正しいと思いますが、「社会の構造改革・意識改革」って一体なんでしょうか?
抽象的すぎてよく分かりません。

菅前首相が、不妊治療を保険適用にして、それが少子化対策と言っていた記憶があります。
そんなことでこの少子化が止まると思っているなら、お粗末すぎます。
少子化の原因は複合的ですが、真の問題はどこにあるのでしょうか。

それはなんと言っても、若者が貧困化したことに尽きるでしょう。
結婚するにもお金がかかるし、新居を構えるにもお金がかかります。ましてや子どもを授かって育てていくには、もっとお金がかかります。
今の若者たちには、そうした経済的な基盤がないのでしょう。

池田勇人の所得倍増計画が実を結んだ頃に、第2次ベビーブームが起きています。
1970年代の日本は、(公害などの影に面もたくさんありますが)若い人が結婚して、新居を構え、子どもを授かるパワーがあったのでしょう。

なぜこうなってしまったのでしょうか。
それは小泉元首相の新自由主義から連綿とつながっている自民党政権による経済政策の失敗が原因です。
年功序列が崩れたのはまだよかったかもしれませんが、終身雇用というシステムがなくなり、非正規雇用の比率が大幅に上昇しました。
非正規は身分が不安定だけでなく、労働賃金も安い。
この新自由主義に拍車をかけたのが、安倍元首相の9年間です。
まったく悪夢でした。

これだけ少子化が進むと、若者は日本の将来に希望を持てなくなります。
したがって子どもを授かることを、さらに躊躇します。悪循環ですね。

政治家は50年先の国家を考えません。選挙だって、目先の利益誘導だけしか争点になりません。
つまり、政治家にとって未来なんて知ったこっちゃないわけです。

現在、国民の負担率は50%近い数値になっています。増税は無理でしょう。
予算配分を振り分けるしかありません。それはきっとできるはずです。
支出だって、もっと削れるはずです。例えば、医者に対する診療報酬は高過ぎると思います。

岸田さんはいったいなんのために政治家になったのでしょうか。
政治権力を握りたいだけという理由ならば、国家にとって有害でしかありません。
旧弊をすべて断ち切って、子どもを育てられる日本に作り替えなければ、首相を務める意味はありません。
旧安倍派の顔色を窺うばかりでは、この国に未来はないでしょう。

独占告白 渡辺恒雄 戦後政治はこうして作られた(安井 浩一郎)2023年03月19日 22時12分35秒

独占告白 渡辺恒雄
独占告白とありますので、渡辺さんの一人語りのような本かと期待して読みました。
ですがそういう構成ではなく、戦後政治史の「地の文」が多く、また渡辺さん以外の人物のインタビュー記事も多く含まれていました。
戦後政治史に関しては、ぼくのように長く生きると、知っていることしか書かれていませんので、そこは読んでいておもしろいと感じることは無理でした。

渡辺さんが戦後政治にここまで深く関わったこと、特に日韓基本条約のところは知りませんでしたので、これはちょっと驚きです。
中曽根さんとの関係はかなり有名ですよね。

番記者と政治家の関係って、本当に単純には語れないものがありますね。
渡辺さんはジャーナリストとして報道をやりたかったのか、それとも政治家のブレーンとして政治的振る舞いをしたかったのか、それはこの本では分かりませんでした。
また、渡辺さんが政治史に深く食いこむことで、読売新聞社内でどのように自分の立場を作っていったのかも、この本では分かりませんでした。

戦後政治に興味のある方は、ぜひ、読んでみてください。特に若い人が読むといいと思います。