少子化問題をどう解決するか ― 2023年01月11日 21時39分38秒
子育て関連予算を倍増するなど、今度の国会は「子ども国会」になりそうです。
自民党は今になって少子化問題で騒ぎ始めましたが、こうなってしまった責任をどう取るんでしょうか?
出生率が2.0を切ったのは1975年です。
つまり今から50年近く前から少子化は始まっていたのです。
出産一時金を増やすとか、児童手当を増やすとか、学費の無償化などが論じられていますが、それで少子化は止まるでしょうか?
完結出生児数という言葉があります。これは夫婦が、何人の子を持ったかの平均値です。
実はこの値はそんなに極端に下がっていないのです。
現在は、1.94くらいです。
つまり結婚さえすれば、2人近くの子どもを持つのです。
では問題はどこに?
それは生涯未婚率です。
2022年のデータで、男性は28.3%、女性は17.8%に昇っています。
要するに、日本の若者は結婚しなくなったのです。
これでは少子化が進むのは当然です。
独身の若者は、多くの場合、親と同居しているというデータもあります。つまり、住宅費や食費がかからないわけです。
これは裏を返せば、日本の住宅費や食費が高すぎて、若者が独立できないのです。
若者が独立するとすれば、最初は賃貸住宅でしょう。しかし日本は、賃貸物件に対する補助がなく、支払い金額が高価です。
住宅控除のようなものがない。
したがって賃貸物件に住み、独立すると、貯金が貯まっていかない。
すると、結婚もできないのです。
出産一時金とか、不妊治療の保険医療化などでは少子化は改善しません。
若者が独立して家庭を構えられるように、国が支援していかないとこの問題は解決しないのではないでしょうか。
自民党は今になって少子化問題で騒ぎ始めましたが、こうなってしまった責任をどう取るんでしょうか?
出生率が2.0を切ったのは1975年です。
つまり今から50年近く前から少子化は始まっていたのです。
出産一時金を増やすとか、児童手当を増やすとか、学費の無償化などが論じられていますが、それで少子化は止まるでしょうか?
完結出生児数という言葉があります。これは夫婦が、何人の子を持ったかの平均値です。
実はこの値はそんなに極端に下がっていないのです。
現在は、1.94くらいです。
つまり結婚さえすれば、2人近くの子どもを持つのです。
では問題はどこに?
それは生涯未婚率です。
2022年のデータで、男性は28.3%、女性は17.8%に昇っています。
要するに、日本の若者は結婚しなくなったのです。
これでは少子化が進むのは当然です。
独身の若者は、多くの場合、親と同居しているというデータもあります。つまり、住宅費や食費がかからないわけです。
これは裏を返せば、日本の住宅費や食費が高すぎて、若者が独立できないのです。
若者が独立するとすれば、最初は賃貸住宅でしょう。しかし日本は、賃貸物件に対する補助がなく、支払い金額が高価です。
住宅控除のようなものがない。
したがって賃貸物件に住み、独立すると、貯金が貯まっていかない。
すると、結婚もできないのです。
出産一時金とか、不妊治療の保険医療化などでは少子化は改善しません。
若者が独立して家庭を構えられるように、国が支援していかないとこの問題は解決しないのではないでしょうか。
死刑のある国で生きる(宮下洋一) ― 2023年01月11日 23時20分48秒
これは大変クオリティーの高い作品でした。
テーマは簡単に言えば、死刑は是か非か。昔からあるテーマなので、あまり期待しないで読みました。
ところが、その取材が広く、深く、また文献的考察も十分で、宮下さんの思索も非常に深く練られていました。
ぼくはこれまで宮下さんの本を何冊も読み、書評も週刊現代に書いたことがあります。
これまでもいい本を出してきましたが、今回はちょっとそれらを突き抜けた感があります。
本の終盤で、殺人事件の被害者遺族にインタビューする場面などは、思わず引き込まれました。
よく話が聞けたものです。
また、フランスでの「現場射殺」という死刑の変形のようなものは、日本でなぜ死刑制度が存置しているかの説明になっているように思えます。
結局死刑制度は宗教と強く関係しており、「赦し」という宗教観念のない日本をキリスト教圏と同様に考えるのは無理がありそうです。
また、世界で最も治安のいい国だからこそ、死刑が残り続け、個人の感情というよりも「地域」の感情が死刑を維持しているのかもしれません。
ノンフィクション作品としては一つの到達点に行き着いていると思います。
ぜひ、おススメします。読んでみてください。
テーマは簡単に言えば、死刑は是か非か。昔からあるテーマなので、あまり期待しないで読みました。
ところが、その取材が広く、深く、また文献的考察も十分で、宮下さんの思索も非常に深く練られていました。
ぼくはこれまで宮下さんの本を何冊も読み、書評も週刊現代に書いたことがあります。
これまでもいい本を出してきましたが、今回はちょっとそれらを突き抜けた感があります。
本の終盤で、殺人事件の被害者遺族にインタビューする場面などは、思わず引き込まれました。
よく話が聞けたものです。
また、フランスでの「現場射殺」という死刑の変形のようなものは、日本でなぜ死刑制度が存置しているかの説明になっているように思えます。
結局死刑制度は宗教と強く関係しており、「赦し」という宗教観念のない日本をキリスト教圏と同様に考えるのは無理がありそうです。
また、世界で最も治安のいい国だからこそ、死刑が残り続け、個人の感情というよりも「地域」の感情が死刑を維持しているのかもしれません。
ノンフィクション作品としては一つの到達点に行き着いていると思います。
ぜひ、おススメします。読んでみてください。
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