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記者がひもとく「少年」事件史: 少年がナイフを握るたび大人たちは理由を探す(川名 壮志)2022年10月09日 08時44分48秒

記者がひもとく「少年」事件史: 少年がナイフを握るたび大人たちは理由を探す
戦後日本の少年による殺人事件を時系列でまとめた作品です。
殺人事件が起きたとき、その内容、その背景をわれわれが知るのは、マスメディアの報道があるからです。
逆に言えば、メディアが少年犯罪に興味を失ってしまえば、事件の全体像を知ることができなくなります。
この本はそういう意味で、少年犯罪を描いた本といういうより、報道姿勢を描いた本だったように思えます。

1979年頃に、本多勝一さんが『子どもたちの復讐』を書いたとき、一つの少年犯罪を巡ってここまで社会構造の歪みを描けるんだと、ぼくは感嘆した記憶があります。
死刑の基準で有名な永山則夫も、社会党委員長へのテロ実行犯・山口二矢も社会との関係性があったと思います。

しかし時代は下り、少年はどんどん大人化していきます。
残虐な犯行が増え、社会との接点が切れ、少年の心の特性にフォーカスが当たり、厳罰化が進みます。
少年犯罪は年々減っているのですが、子どもの内面はいい意味でも悪い意味でも大人になっているのは間違いないようで、厳罰化の流れはもう止めることはできないんじゃないかな。

ただ、その理由をどう解釈するか。サブタイトルにあるように、「少年がナイフを握るたび大人たちは理由を探す」のだけど、家族環境とかは昔よりも重視されなくなっているように感じます。
ぼくのような還暦を迎えた人間から見ると、18歳、19歳というのは、大人と言い切れないような気持ちもあります。
司法も報道も丁寧に少年犯罪を裁き、報道してほしいと思います。
勉強になりました。おススメします。

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