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本を読んだら散歩に行こう(村井 理子)2022年09月19日 11時07分20秒

本を読んだら散歩に行こう
翻訳家でエッセイストの村井さんの作品です。
今回は書評集。しかし書評は10%で、90%はエッセイです。
今の時代、エッセイを書ける人は本当に少なくなりました。
それは、エッセイは商業ベースの本として成り立ちにくくなったからです。
たいていのエッセイはSNSやブログ(特にnote)で済んでしまいます。
したがってエッセイを出版できる人は、本当に文章がうまい人に限られます。

そして、村井さん。本当にうまい。短い比喩を上手に使うんですよね。それがシャープで新鮮なんです。
比喩って使い方を間違えると、文章が陳腐になって冗長になるんですが、それとは対極にある表現だと思います。

ぼくも一時期エッセイを書いてみたいと思った時期もありましたが、今はそれはもうない。だって無理だから。
文章がうまいっていうのはある種の才能で、トレーニングを積んでもなかなかうまくなるものではありません。
「分かりやすい文章」は工夫しだいでどうにでもなるんですけれどね。

この本は挿画もいいですね。おススメの1冊です。ぜひ、どうぞ。

エリザベス女王国葬2022年09月19日 19時45分28秒

日本のテレビで生中継とは驚きました。
大喪の礼のときは、どうだったかな。ちょっと覚えていない。
しかし、イギリスとか欧州って色が鮮やかですね。日本の儀式ってどうしても白黒ですよね。
安倍さんの国葬もそういう感じになるでしょう。何しろ会場が日本武道館ですからね。武道の場で葬儀ってどうなんでしょうか。

国葬を見ていて、ぼくが千葉大の教養部だったときを思い出しました。
英語の授業で女性教師から「Do you know Westminster Abbey?」と訊かれたんですよね。
「知りません」と答えたら、「You have no common sense.」と言われ、クラス全員がぼくを振り返って、「わっはっは」と教室内が爆笑になったんです。

common sense なんて人によって価値基準が違うんじゃないですか? 失礼にも程があります。言うのであれば、general knowledge でしょうよ。
めっちゃ頭にきて「じゃあ、お前は『万延元年のフットボール』を読んだのか!」とよっぽど言おうかと思ったものです。
本当にふざけた教師でした。
こんな所にいたら、教養を学べないなと心底思いましたね。

ぼくは教養部の2年間で深く教養を学ぶことができなかったことを、自著『どんじり医』で書きましたが、こういう教師のせいもあったと思っています。
ドイツ語は一生懸命にやったけど、それはその先生がとても熱心だったから。
学生の質は教師の写し鏡だと思いますよ。