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復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる(出口 治明)2022年07月27日 21時14分17秒

復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる
ご病気されたことはなんとなく知っていましたが、この本で詳細を知りました。
本書は、出口先生のリハビリ記です。
リハの内容がとても細かく丁寧に書かれていて、同じ病の人にはとても参考になるのではないでしょうか?
先生はとても前向きにリハに取り組まれ、学長に復帰したいという意欲は見事なものでした。
落ち込んだり、ネガティブに考えたりしないところがすごいですよね。
でもこれまでの先生の著作を読んでいると、こうした思考をもつのは必然だったような気もします。

ぼくも解離性脳動脈瘤に倒れ、くも膜下出血の一歩手前でしたから、脳卒中の怖さはなんとなく分かります。
ぼくは、根がネガティブにできていますので、こういう状況になったらものすごく悩むと思うし、開業医として復帰しようとは思わないでしょう。
おそらく仕事は引退して、毎日書斎で本を読む生活に入ると思います。
それに健康を損なった自分の姿を人に見られたくないという気持ちもあります。
ま、見栄っ張りなんですね。

しかし、自分の仕事に愛情と誇りを持っている人が、元の仕事に復帰したいと考える気持ちもよく分かります。
以前に牧太郎さんの『新聞記者で死にたい』というリハビリ記を読んで、心底感動し、泣きそうになったことがあります。
どういう人生を選ぶかはもちろん自由ですから、一人一人がふだんからよく考えておくことが大事だと思います。

出口先生、お体お大事に。無理のないようにお仕事なさってください。
最後に蛇足を。この本は出口治明先生の本ですが、ライターは別にいます。おまけにそのライターは、リハに関わった人たちにもインタビューしています。
これはせめて、出口先生とそのライターの共著にすべきではないでしょうか?