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現代思想入門(千葉 雅也)2022年04月16日 22時20分50秒

現代思想入門 (講談社現代新書)
現在、大ベストセラー中のこの本を、無謀にも読んでみました。
フランスで発展したポスト構造主義の思想を、「秩序と逸脱」をキーワードに読み解いていきます。
筆者のざっくばらんな語り口が読者に優しく、こんなぼくでもなんとなく分かった気になります。
しかし、ぼくは所詮、外科医という技術屋さんなので、この本を正しく理解したか自分でも判断がつきません。

ぼくは、哲学や思想の本を好きでときどき読むのですが、たいていは途中で挫折します。でも、この本は、ところどころでつかえましたが、読み切れました。
なぜでしょう。それは、この本には読ませる力があり、それは単に書き方とか語り方とかによるものではありません。
筆者がポスト構想主義をどこまで自分の中で咀嚼・消化したかで伝える力が決まり、思想を自分化したパワーが強力だったからでしょう。

そういう意味では、千葉さんはまだ40歳代の若さなのにとても立派だと思います。
後書きを読むと、一種の諦めで書いたとありますが、それはなかなかできることではありません。
40歳代のぼくなんて、諦めるどころか、人生四苦八苦で悶絶していました。諦めたのはそのはるか後です。
その若さで、思想をまとめて決着させたのだから、頭が下がります。

冒頭で触れたように本書は現在、大ヒット中。こういうクオリティーの高い本が売れると嬉しくなります。
日本人の読書も捨てたもんじゃないな・・・なんてね。
いい本ですので、おススメします。

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