おもちゃ 河井案里との対話(常井 健一) ― 2022年04月01日 10時21分02秒
やや旬を過ぎた感じはあるものの、広島の政界を揺るがせた大事件のあとですから注目は自然と集まります。
筆者は河井案里と長時間の会話を交わし、それをもとに本を作っています。
とは言うものの、そのロングインタビューは本書の骨格にはなっていない印象があり、この長いノンフィクションの本筋がどこにあるのかちょっと見えにくい感じでした。
政治の話が始まるまで100ページもかかり、河井夫妻の(特に案里)それまでの人生の描写が面白いかというと、そうでもなかったです。
ちょっと冗長でした。こういう部分を魅力的に描けるとノンフィクションって光るんですけどね。
政治問題・政界事情に興味のある方におススメです。
筆者は河井案里と長時間の会話を交わし、それをもとに本を作っています。
とは言うものの、そのロングインタビューは本書の骨格にはなっていない印象があり、この長いノンフィクションの本筋がどこにあるのかちょっと見えにくい感じでした。
政治の話が始まるまで100ページもかかり、河井夫妻の(特に案里)それまでの人生の描写が面白いかというと、そうでもなかったです。
ちょっと冗長でした。こういう部分を魅力的に描けるとノンフィクションって光るんですけどね。
政治問題・政界事情に興味のある方におススメです。
ロレックス探訪記 ― 2022年04月06日 23時19分01秒
休診日なので、モノレールに乗って千葉そごうに行ってきました。
目的の一つは腕時計です。
ぼくは診療中に腕時計をしませんが、休日に出かけるときには腕に付けています。
グランド・セイコーと言えば、知っている人は知っている。知らない人は知らない時計です(当たり前ですね)。
ま、略してGSと言いますが、究極の平凡なデザインです。
日本では普通に入手できますが、海外ではそうではなく、プレミア価格になっているという噂を聞いたこともあります。
さて、今日はTAGホイヤーという腕時計を見に行ってきました。思った以上に重く、デザインもWEBで見るほど心に響きませんでした。このままGSでいいかなと判断しました。
ついでにロレックスのお店も覗きました。
店員さんが3人ほどいます。で、商品はと言うと・・・ないんです、それが。
6個くらいサンプルが置いてありますが、売り物ではないと表示されています。
こりゃ一体どういう商売なんでしょうか?
店員さんはあそこで何をやっているのかしら?
ロレックスは現在、投機の対象になっていて、新品を正規の値段で買うのは難しいと言われています。
お店も転売する人を警戒して商品を見せないらしい。で、この人なら大丈夫と踏んだ人には店の奥から品物を出して売る・・・という記事を読んだことがあります。
本当でしょうか?
ネットで時計屋さんを検索するとロレックスが正規の価格の2倍くらいで売られています。これはもう金(きん)以上の資産かもしれませんね。
しかし、そごうの中にお店を構えて、店員が3人もいて、何も売っていないって、どうやって売り上げているのでしょうか。
なんとも不思議です。
以前にこのお店に行ったときは、時計がずらりと並んでいたんですけどね。
そごうの帰りにヨドバシカメラに寄って、カメラを見てきました。やはり実物を見るのは大事ですね。
現在持っているカメラはオリンパスのマイクロ4/3。ちょっと重いんですよね。
取材には軽いカメラがいいので、小型のデジカメを買い足すかもしれません。
それにしてもよく歩いた。この2年で本当に歩かなくなってしまったので、脚が弱くなりました。まだまだ老け込みたくないので、機会を見つけて歩こうと思います。
写真はぼくのGS。カッコいいでしょ?
目的の一つは腕時計です。
ぼくは診療中に腕時計をしませんが、休日に出かけるときには腕に付けています。
グランド・セイコーと言えば、知っている人は知っている。知らない人は知らない時計です(当たり前ですね)。
ま、略してGSと言いますが、究極の平凡なデザインです。
日本では普通に入手できますが、海外ではそうではなく、プレミア価格になっているという噂を聞いたこともあります。
さて、今日はTAGホイヤーという腕時計を見に行ってきました。思った以上に重く、デザインもWEBで見るほど心に響きませんでした。このままGSでいいかなと判断しました。
ついでにロレックスのお店も覗きました。
店員さんが3人ほどいます。で、商品はと言うと・・・ないんです、それが。
6個くらいサンプルが置いてありますが、売り物ではないと表示されています。
こりゃ一体どういう商売なんでしょうか?
店員さんはあそこで何をやっているのかしら?
ロレックスは現在、投機の対象になっていて、新品を正規の値段で買うのは難しいと言われています。
お店も転売する人を警戒して商品を見せないらしい。で、この人なら大丈夫と踏んだ人には店の奥から品物を出して売る・・・という記事を読んだことがあります。
本当でしょうか?
ネットで時計屋さんを検索するとロレックスが正規の価格の2倍くらいで売られています。これはもう金(きん)以上の資産かもしれませんね。
しかし、そごうの中にお店を構えて、店員が3人もいて、何も売っていないって、どうやって売り上げているのでしょうか。
なんとも不思議です。
以前にこのお店に行ったときは、時計がずらりと並んでいたんですけどね。
そごうの帰りにヨドバシカメラに寄って、カメラを見てきました。やはり実物を見るのは大事ですね。
現在持っているカメラはオリンパスのマイクロ4/3。ちょっと重いんですよね。
取材には軽いカメラがいいので、小型のデジカメを買い足すかもしれません。
それにしてもよく歩いた。この2年で本当に歩かなくなってしまったので、脚が弱くなりました。まだまだ老け込みたくないので、機会を見つけて歩こうと思います。
写真はぼくのGS。カッコいいでしょ?
開業医をやりながら作家もやってみた 24回 ― 2022年04月09日 13時26分51秒
m3.com 連載、『開業医をやりながら作家もやってみた』、最終回が掲載されました。
https://www.m3.com/news/iryoishin/1032678
よかったらご覧になってください。
この連載は、大変好評でした。しかしログインできない人も多かったと聞きます(基本的に医療関係者用)。
なんとか書籍化したいと考えています。
これから知人の編集者と相談してみます。
https://www.m3.com/news/iryoishin/1032678
よかったらご覧になってください。
この連載は、大変好評でした。しかしログインできない人も多かったと聞きます(基本的に医療関係者用)。
なんとか書籍化したいと考えています。
これから知人の編集者と相談してみます。
「トランプ信者」潜入一年: 私の目の前で民主主義が死んだ(横田 増生) ― 2022年04月11日 19時40分44秒
ユニクロやAmazonへの潜入記を書いた横田さんの最新作です。
今度は、アメリカ。トランプ信者への取材です。
この本を読み始めてすぐに、ぼくは金成隆一さんのトランプ三部作を思い起こしてしまいました。
あの大傑作を超えられるだろうか、ちょっと不安に思ったのです。
金成さんは、なぜトランプが勝ったのか、膨大な取材で実にクリアに説明していました。
一方、横田さんは、トランプが闘いに敗れ、選挙結果をひっくり返そうとし、連邦議会へ暴徒が突入するというアメリカの民主主義の危機を描きました。
ちょっと本の出足でスピード感に欠ける部分があったのですが、いつの間にかぐいぐい引き込まれていました。
それはなぜでしょうか?
やはり、それは潜入という取材方が面白かったからです。
ジャーナリストとして取材を行った部分もあるし、トランプ陣営の選挙ボランティアとして個別訪問をする場面もあり、やはりそこが面白い。
潜入取材のマスターですね。
明らかに通訳も使っていないし、アメリカという広い大陸を縦横無尽に駆け巡り、長期にわたって取材とボランティアを継続するのはすごいエネルギーです。
読み終えてみれば、本作はこれまで以上の傑作なのではないかと思いました。
後書きを読むと、小学館や新潮社などの支援もあったように書かれていますが、これは金銭的な援助もあったのでしょうか。
そこはちょっと知りたい。
なぜって、今のノンフィクションは出版社がライターを経済的に支えなくなっているからです。
サブタイトルは、「私の目の前で民主主義が死んだ」となっていますが、これは危機一髪で回避されたのではないでしょうか?
いま世界ではロシアの独裁政治が大問題になっていますが、アメリカだって危なかったわけです。
政治というのは、イコール権力ですから、その使い方を誤ると本当に怖い。
地球上のわずか数人の政治家が、世界を破壊しかねないのですから、民主主義というシステムがいかに重要かということが分かります。
本書を読んで、今ひとつスカッとしない理由は、2024年にトランプが復権する可能性があるからです。
アメリカって本当に不思議な国で、自由と民主主義の総本山でありながら、トランプの反民主主義のフェイクにはまり、陰謀論を信じ込む人がなぜこれだけ多いのだろうかと唖然とします。
いずれにしても本書は大変な力作でした。2022年の何かのノンフィクション賞の候補にあがるんじゃないかな。
おススメです。
今度は、アメリカ。トランプ信者への取材です。
この本を読み始めてすぐに、ぼくは金成隆一さんのトランプ三部作を思い起こしてしまいました。
あの大傑作を超えられるだろうか、ちょっと不安に思ったのです。
金成さんは、なぜトランプが勝ったのか、膨大な取材で実にクリアに説明していました。
一方、横田さんは、トランプが闘いに敗れ、選挙結果をひっくり返そうとし、連邦議会へ暴徒が突入するというアメリカの民主主義の危機を描きました。
ちょっと本の出足でスピード感に欠ける部分があったのですが、いつの間にかぐいぐい引き込まれていました。
それはなぜでしょうか?
やはり、それは潜入という取材方が面白かったからです。
ジャーナリストとして取材を行った部分もあるし、トランプ陣営の選挙ボランティアとして個別訪問をする場面もあり、やはりそこが面白い。
潜入取材のマスターですね。
明らかに通訳も使っていないし、アメリカという広い大陸を縦横無尽に駆け巡り、長期にわたって取材とボランティアを継続するのはすごいエネルギーです。
読み終えてみれば、本作はこれまで以上の傑作なのではないかと思いました。
後書きを読むと、小学館や新潮社などの支援もあったように書かれていますが、これは金銭的な援助もあったのでしょうか。
そこはちょっと知りたい。
なぜって、今のノンフィクションは出版社がライターを経済的に支えなくなっているからです。
サブタイトルは、「私の目の前で民主主義が死んだ」となっていますが、これは危機一髪で回避されたのではないでしょうか?
いま世界ではロシアの独裁政治が大問題になっていますが、アメリカだって危なかったわけです。
政治というのは、イコール権力ですから、その使い方を誤ると本当に怖い。
地球上のわずか数人の政治家が、世界を破壊しかねないのですから、民主主義というシステムがいかに重要かということが分かります。
本書を読んで、今ひとつスカッとしない理由は、2024年にトランプが復権する可能性があるからです。
アメリカって本当に不思議な国で、自由と民主主義の総本山でありながら、トランプの反民主主義のフェイクにはまり、陰謀論を信じ込む人がなぜこれだけ多いのだろうかと唖然とします。
いずれにしても本書は大変な力作でした。2022年の何かのノンフィクション賞の候補にあがるんじゃないかな。
おススメです。
命のクルーズ(高梨 ゆき子) ― 2022年04月13日 15時08分06秒
クルーズ船の中でものすごいことが起きている。
あのときの日本人はみんなそう思っていたでしょう。ぼくもそう思いました。
だけど、実際の姿はどうだったのか。
『大学病院の奈落』で好評を博した高梨さんが、多数の関係者に取材を重ね、ダイヤモンド・プリンセス号で何が起きていたのかを丁寧に描いていきます。
この本を読んで驚くことは多数ありますが、1番の驚きは、この大惨事に対応できる医師団がシステムとして存在していなかったことです。
DMAT と言えば耳にしたことがある人も多いかもしれませんが、これは災害医療の専門家集団で、なんとボランティア活動です。要するに国には備えがなかったのです。
100年に1度のパンデミックだからしかたなかった?
いえ、自民党の政権公約には新興感染症のパンデミックに対応すると書かれていたはずです。
ところがそれは嘘。なんの準備もなかった。つまり票にならないことは、政治家はやらないということです。
DMAT の医師たちが船内に乗り込み最初にやったことは、乗員乗客3000人以上に対して、薬を配布することです。
これは、あり得ないくらいのハードなミッションだったと思います。
高齢者になると多数の薬を飲みますが、自分がなんという名前の薬を飲んでいるか、暗記している人ってかなり少ないんですよね。小児医療だって同じで、保護者は子どもが飲んでいる薬の名前を憶えていません。
コロナ第1波のときは、患者を収容できる病院が全然ない状態でした。そこでクルーズ船に巨大クラスターが発生し、動かせる人から順番に患者を搬送するのは困難を極めます。
特に外国人の場合、言葉の通じない異国で夫婦が引き離されるときは、パニックになります。
コロナによる死亡者が13名出たものの、こうしたタフな仕事をやり遂げた関係者は立派だったと思います。
ぼくはいつも言っていますが、医師は仕事が医師なのではなく、医師という人間なんですよね。だからできたのでしょう。
このクルーズ船の一連の報道の中で、岩田先生による「告発動画」がありました。清潔ゾーンと不潔ゾーンが全然別れていない、というアレですね。大変話題になりました。先生が言っていたこと自体は正しいと思いますが、では、船内で感染がどんどん広がったという事実はあったのでしょうか。
実はそうではないようです。検疫が始まる前に感染が起こり、その人たちの検査が進み、陽性が判明していく過程を国民が見ていた・・・どうもそれが真実のようです。
しかしメディアはそういう報道ではなかったようです。
筆者の高梨さんは新聞記者として、DMAT をはじめとする関係者の汚名をすすぎたかったのかもしれません。
読み応えのある1冊でした。
おススメします。
あのときの日本人はみんなそう思っていたでしょう。ぼくもそう思いました。
だけど、実際の姿はどうだったのか。
『大学病院の奈落』で好評を博した高梨さんが、多数の関係者に取材を重ね、ダイヤモンド・プリンセス号で何が起きていたのかを丁寧に描いていきます。
この本を読んで驚くことは多数ありますが、1番の驚きは、この大惨事に対応できる医師団がシステムとして存在していなかったことです。
DMAT と言えば耳にしたことがある人も多いかもしれませんが、これは災害医療の専門家集団で、なんとボランティア活動です。要するに国には備えがなかったのです。
100年に1度のパンデミックだからしかたなかった?
いえ、自民党の政権公約には新興感染症のパンデミックに対応すると書かれていたはずです。
ところがそれは嘘。なんの準備もなかった。つまり票にならないことは、政治家はやらないということです。
DMAT の医師たちが船内に乗り込み最初にやったことは、乗員乗客3000人以上に対して、薬を配布することです。
これは、あり得ないくらいのハードなミッションだったと思います。
高齢者になると多数の薬を飲みますが、自分がなんという名前の薬を飲んでいるか、暗記している人ってかなり少ないんですよね。小児医療だって同じで、保護者は子どもが飲んでいる薬の名前を憶えていません。
コロナ第1波のときは、患者を収容できる病院が全然ない状態でした。そこでクルーズ船に巨大クラスターが発生し、動かせる人から順番に患者を搬送するのは困難を極めます。
特に外国人の場合、言葉の通じない異国で夫婦が引き離されるときは、パニックになります。
コロナによる死亡者が13名出たものの、こうしたタフな仕事をやり遂げた関係者は立派だったと思います。
ぼくはいつも言っていますが、医師は仕事が医師なのではなく、医師という人間なんですよね。だからできたのでしょう。
このクルーズ船の一連の報道の中で、岩田先生による「告発動画」がありました。清潔ゾーンと不潔ゾーンが全然別れていない、というアレですね。大変話題になりました。先生が言っていたこと自体は正しいと思いますが、では、船内で感染がどんどん広がったという事実はあったのでしょうか。
実はそうではないようです。検疫が始まる前に感染が起こり、その人たちの検査が進み、陽性が判明していく過程を国民が見ていた・・・どうもそれが真実のようです。
しかしメディアはそういう報道ではなかったようです。
筆者の高梨さんは新聞記者として、DMAT をはじめとする関係者の汚名をすすぎたかったのかもしれません。
読み応えのある1冊でした。
おススメします。
さようなら、山本太郎 ― 2022年04月16日 17時10分49秒
山本太郎さんが衆院議員を辞めて、次期参院選に立候補するそうです。
ぼくはハードなリベラリストなので、これまで山本さんを注目してきたし、応援もしてきました。
ALSの舩後靖彦さん、頸髄損傷の木村英子さんにもシンパシーを持ちながら、応援してきました。
山本さんの今回の参院選立候補をみなさんはどう考えるでしょうか?
政治家にとって大切な資質はいろいろあると思いますが、最も重要なものは道徳心だと思います。
衆院議員をやめて、繰り上げで1議席確保し、参議院でも1議席取ろうとするのは、合法的かもしれませんが、脱法的であり、道徳的に相当問題があるのはないでしょうか?
議席を増やせれば手段を選ばないということになります。
政治家のそうした行動は、子どもたちの手本になるでしょうか?
山本さんの姿を見て、若い人たちが政治に憧れるでしょうか?
山本さんが衆議院議員を辞めることで比例東京ブロックから櫛渕万里さんが繰り上がるそうです。
誰ですか、この方?
有権者は、山本太郎さんに衆院議員になって欲しくて投票したんじゃないですか?
もし、櫛渕万里さんが比例名簿の1位だったら、この方は当選していなかったと思います。
それが繰り上げで国会議員になってしまうというのは、国民を馬鹿にしています。
日本の立法は二院制をとっています。衆議院と参議院では役割が違います。
同じ1議席と考えているなら、日本の立法府を馬鹿にした話だと思います。
わずか半年で、衆院議員の資格を投げ出すのは無責任ではないでしょうか。
有権者の思いはどうなるのか。
こんな方法がまかり通るならば、自民党を含めてすべての政党が同じことをやり出します。そのとき、誰も批判できなくなるんじゃないでしょうか。
今回の方法には「大義」がありません。
衆院議員を辞める「大義」もないし、なぜ参院議員になりたいのかという「大義」もない。
そこにあるのは、れいわ新撰組で1議席欲しいという「欲」だけです。
最後は有権者が決めること・・・という反論を山本さんはするかもしれません。
彼には熱心な支持者が東京に多数いますから、おそらく参院選で当選するでしょう。しかしそれは民意でしょうか?
もし、候補者を落選させる拒否権が国民にあれば、山本さんは選ばれるでしょうか?
さような、山本太郎さん。もう応援することはないと思います。こんどのドタバタをぼくは自分の子どもに説明できません。
数を得ることが自己目的と化した政治屋になってしまいましたね。
ぼくはハードなリベラリストなので、これまで山本さんを注目してきたし、応援もしてきました。
ALSの舩後靖彦さん、頸髄損傷の木村英子さんにもシンパシーを持ちながら、応援してきました。
山本さんの今回の参院選立候補をみなさんはどう考えるでしょうか?
政治家にとって大切な資質はいろいろあると思いますが、最も重要なものは道徳心だと思います。
衆院議員をやめて、繰り上げで1議席確保し、参議院でも1議席取ろうとするのは、合法的かもしれませんが、脱法的であり、道徳的に相当問題があるのはないでしょうか?
議席を増やせれば手段を選ばないということになります。
政治家のそうした行動は、子どもたちの手本になるでしょうか?
山本さんの姿を見て、若い人たちが政治に憧れるでしょうか?
山本さんが衆議院議員を辞めることで比例東京ブロックから櫛渕万里さんが繰り上がるそうです。
誰ですか、この方?
有権者は、山本太郎さんに衆院議員になって欲しくて投票したんじゃないですか?
もし、櫛渕万里さんが比例名簿の1位だったら、この方は当選していなかったと思います。
それが繰り上げで国会議員になってしまうというのは、国民を馬鹿にしています。
日本の立法は二院制をとっています。衆議院と参議院では役割が違います。
同じ1議席と考えているなら、日本の立法府を馬鹿にした話だと思います。
わずか半年で、衆院議員の資格を投げ出すのは無責任ではないでしょうか。
有権者の思いはどうなるのか。
こんな方法がまかり通るならば、自民党を含めてすべての政党が同じことをやり出します。そのとき、誰も批判できなくなるんじゃないでしょうか。
今回の方法には「大義」がありません。
衆院議員を辞める「大義」もないし、なぜ参院議員になりたいのかという「大義」もない。
そこにあるのは、れいわ新撰組で1議席欲しいという「欲」だけです。
最後は有権者が決めること・・・という反論を山本さんはするかもしれません。
彼には熱心な支持者が東京に多数いますから、おそらく参院選で当選するでしょう。しかしそれは民意でしょうか?
もし、候補者を落選させる拒否権が国民にあれば、山本さんは選ばれるでしょうか?
さような、山本太郎さん。もう応援することはないと思います。こんどのドタバタをぼくは自分の子どもに説明できません。
数を得ることが自己目的と化した政治屋になってしまいましたね。
『おうちへ帰ろう 障害のある赤ちゃんの特別養子縁組』 ― 2022年04月16日 20時08分54秒
NHK Eテレの番組を見ました。
ダウン症などの障害のある赤ちゃんを特別養子縁組で受け入れる家庭のドキュメントです。
大変重いテーマです。障害のある子をなぜ手放すのか。
それは社会が子どもを育てるという観念がないからでしょう。
母親が全部背負い込んでしまうため、そのつらさから、我が子をあきらめるのでしょう。個人が変わるというよりも、日本の文化とか社会風土、あるいはそれを支える経済が変わっていく必要があると思います。
ダウン症などの障害のある赤ちゃんを特別養子縁組で受け入れる家庭のドキュメントです。
大変重いテーマです。障害のある子をなぜ手放すのか。
それは社会が子どもを育てるという観念がないからでしょう。
母親が全部背負い込んでしまうため、そのつらさから、我が子をあきらめるのでしょう。個人が変わるというよりも、日本の文化とか社会風土、あるいはそれを支える経済が変わっていく必要があると思います。
現代思想入門(千葉 雅也) ― 2022年04月16日 22時20分50秒
現在、大ベストセラー中のこの本を、無謀にも読んでみました。
フランスで発展したポスト構造主義の思想を、「秩序と逸脱」をキーワードに読み解いていきます。
筆者のざっくばらんな語り口が読者に優しく、こんなぼくでもなんとなく分かった気になります。
しかし、ぼくは所詮、外科医という技術屋さんなので、この本を正しく理解したか自分でも判断がつきません。
ぼくは、哲学や思想の本を好きでときどき読むのですが、たいていは途中で挫折します。でも、この本は、ところどころでつかえましたが、読み切れました。
なぜでしょう。それは、この本には読ませる力があり、それは単に書き方とか語り方とかによるものではありません。
筆者がポスト構想主義をどこまで自分の中で咀嚼・消化したかで伝える力が決まり、思想を自分化したパワーが強力だったからでしょう。
そういう意味では、千葉さんはまだ40歳代の若さなのにとても立派だと思います。
後書きを読むと、一種の諦めで書いたとありますが、それはなかなかできることではありません。
40歳代のぼくなんて、諦めるどころか、人生四苦八苦で悶絶していました。諦めたのはそのはるか後です。
その若さで、思想をまとめて決着させたのだから、頭が下がります。
冒頭で触れたように本書は現在、大ヒット中。こういうクオリティーの高い本が売れると嬉しくなります。
日本人の読書も捨てたもんじゃないな・・・なんてね。
いい本ですので、おススメします。
フランスで発展したポスト構造主義の思想を、「秩序と逸脱」をキーワードに読み解いていきます。
筆者のざっくばらんな語り口が読者に優しく、こんなぼくでもなんとなく分かった気になります。
しかし、ぼくは所詮、外科医という技術屋さんなので、この本を正しく理解したか自分でも判断がつきません。
ぼくは、哲学や思想の本を好きでときどき読むのですが、たいていは途中で挫折します。でも、この本は、ところどころでつかえましたが、読み切れました。
なぜでしょう。それは、この本には読ませる力があり、それは単に書き方とか語り方とかによるものではありません。
筆者がポスト構想主義をどこまで自分の中で咀嚼・消化したかで伝える力が決まり、思想を自分化したパワーが強力だったからでしょう。
そういう意味では、千葉さんはまだ40歳代の若さなのにとても立派だと思います。
後書きを読むと、一種の諦めで書いたとありますが、それはなかなかできることではありません。
40歳代のぼくなんて、諦めるどころか、人生四苦八苦で悶絶していました。諦めたのはそのはるか後です。
その若さで、思想をまとめて決着させたのだから、頭が下がります。
冒頭で触れたように本書は現在、大ヒット中。こういうクオリティーの高い本が売れると嬉しくなります。
日本人の読書も捨てたもんじゃないな・・・なんてね。
いい本ですので、おススメします。
ルポ・収容所列島: ニッポンの精神医療を問う(風間 直樹, 井艸 恵美, 辻 麻梨子) ― 2022年04月20日 23時11分42秒
いきなり医療保護入院という強制入院の事例が出てきて、今の時代にこんなことが本当にあるのかと驚きました。
同時にルポとしてちゃんと裏取りができているのか疑問が湧きましたが、読み進めていくうちに、民間精神科病院の(すべてではない)閉鎖的体質が昔から変わっていないため、裏取りしてもコメントが取れないことも分かってきました。
大熊一夫さんの『ルポ 精神病棟』を読んだのは、今から何十年前でしょうか? あの時代と現代とで「患者の人権」という観点から精神科医療を論じるなら、どれだけの進歩があったのでしょうか?
大熊さんは、日本の精神科医療を「この国に生まれたる不幸」と言っていましたが、今でも「強制入院」「身体拘束」「薬漬け」「院内暴力」「情報非公開」のままなら、とても悲しいことだと思います。
☆「この国に・・・」というセリフは元々呉秀三・樫田五郎先生の言葉。
また最終章では、現代日本が直面する大きな問題・認知症を誰がケア・サポートするかの話になっています。
これは大変重い課題で軽々しく結論を述べることはできません。
しかしながら、認知症の人でも、人権がないがしろにされることがあってはいけません。
今後社会全体の高齢化がますます進みますから、これは今から公共体も各個人も十分に備えておく必要があります。
つまり認知症を人ごとと思わず、自分に当てはめてどう対応していくか考えておくべきでしょう。
タイトルの「収容所列島」はちょっとセンセーショナルで強烈ですが、読み終えてみると、まさにその通りだなと思わされる力作でした。
いい本です。おススメします。
同時にルポとしてちゃんと裏取りができているのか疑問が湧きましたが、読み進めていくうちに、民間精神科病院の(すべてではない)閉鎖的体質が昔から変わっていないため、裏取りしてもコメントが取れないことも分かってきました。
大熊一夫さんの『ルポ 精神病棟』を読んだのは、今から何十年前でしょうか? あの時代と現代とで「患者の人権」という観点から精神科医療を論じるなら、どれだけの進歩があったのでしょうか?
大熊さんは、日本の精神科医療を「この国に生まれたる不幸」と言っていましたが、今でも「強制入院」「身体拘束」「薬漬け」「院内暴力」「情報非公開」のままなら、とても悲しいことだと思います。
☆「この国に・・・」というセリフは元々呉秀三・樫田五郎先生の言葉。
また最終章では、現代日本が直面する大きな問題・認知症を誰がケア・サポートするかの話になっています。
これは大変重い課題で軽々しく結論を述べることはできません。
しかしながら、認知症の人でも、人権がないがしろにされることがあってはいけません。
今後社会全体の高齢化がますます進みますから、これは今から公共体も各個人も十分に備えておく必要があります。
つまり認知症を人ごとと思わず、自分に当てはめてどう対応していくか考えておくべきでしょう。
タイトルの「収容所列島」はちょっとセンセーショナルで強烈ですが、読み終えてみると、まさにその通りだなと思わされる力作でした。
いい本です。おススメします。
日本がウクライナになる日(河東 哲夫) ― 2022年04月22日 23時35分54秒
評論みたいな本と思って読み始めましたが、何かエッセイを読んでいるような感じでした。
緊急出版とのことで一気に仕上げたそうです。
筆者の「僕」とは何者で、ソ連とどう関わってきたのか、最初に説明があるともっとよかったと思います。
タイムリーな企画なので、この本は相当売れると思います。そのことはとても素晴らしいのですが、(何年後になるか不明ですが)戦争が終結した後で、同じ著者による徹底的な分析とか論評を読んでみたい気もします。
戦争はどれも悲惨ですが、21世紀におきたこのロシアの侵略は、他の戦争とどう違うのか、あるいは同種のものなのか、精緻な検証が必要だと考えます。
緊急出版とのことで一気に仕上げたそうです。
筆者の「僕」とは何者で、ソ連とどう関わってきたのか、最初に説明があるともっとよかったと思います。
タイムリーな企画なので、この本は相当売れると思います。そのことはとても素晴らしいのですが、(何年後になるか不明ですが)戦争が終結した後で、同じ著者による徹底的な分析とか論評を読んでみたい気もします。
戦争はどれも悲惨ですが、21世紀におきたこのロシアの侵略は、他の戦争とどう違うのか、あるいは同種のものなのか、精緻な検証が必要だと考えます。
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