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生きる意味について考える2021年12月31日 08時46分59秒

生きることの意味
人はなんのために生きるのか? それは、より善く生きるために生きるのではないか。
ぼくは人として欠点の多い人間で、他人を赦す能力に乏しかったり、最も親しい人に愛情をうまく伝えられなかったり、(大学時代だが)後輩に対して思いやりのある言葉を発せられなかったりした。

しかしどこか善の部分もある。
患者に対してひたすら真面目に精一杯治療を行ってきた34年間に偽りはなく、責任感とか使命感は揺るがずに持っていた。
つまり自分の心の中には、善の部分と、そうでない部分が混ざっている。
より善く生きるとは、善の部分を膨らませ、育て上げて、自己実現をはかっていくことだろう。

開業医という仕事は、なかなか自分を成長させられない。
大学時代の貯金を切り崩して診療を行っているようなものだ。
ぼくが開業医になって本当に勉強した分野は「喘息」と「発達障害」だけだと思う。
ただ、たとえ風邪を診るだけでも、家族からすればありがたいことであろうと思われるので、医療という労働によって、ぼくはわずかでも日々自己実現しているとも言える。

本を書くことになったのは、今から13年前で、これまでに14冊の本を作った。
それぞれの本に思い入れがあり、書くたびに学びがあった。
特に障害児医療をめぐる医師の使命と倫理については、本を書くことで初めて目が開かれるような思いをした。
執筆を通じて、自分がより善く生きることができるようになったのは間違いなく、この活動はこれからも続けていきたい。
「売れる本」を書くつもりはない。「善き本」を書きたい。
そうして自分の中の善の部分を拡大し、生きる意味を再確認したいと思う。

若い頃のエネルギーはもうないけれど、残りの人生の中で今日が一番若い日である。挑戦をやめることはしない。