完落ち 警視庁捜査一課「取調室」秘録(赤石 晋一郎) ― 2021年12月17日 22時38分47秒
ちょっと厳しいことを書きますが、本書には視点のブレがあります。
これは、フィクションでもノンフィクションでも同じ問題点ですが、事実を重視するノンフィクションでは特に重要な点になります。
具体的には・・・
「彼にとって初めての大きな事件だった」という文章があります。これは「彼」を主人公にした3人称の視点です。
取材したことを「物語」として表現しているわけです。これはいいでしょう。
しかし、「彼は(自分は元来、刑事向きの性格ではなかった)と語る」という文章も出てきます。これは3人称でしょうか? 彼が語った相手は私(筆者)ですから、この文章の視点は1人称です。
こういうふうに、視点(人称)を混ぜるのは、ノンフィクションとしてどうかと思います。
また、主人公が小学生だったときの同級生との会話が「 」で表現されていますが、これはいくら何でも作り話ではないでしょうか?
「本格ノンフィクション」と謳っている以上は、虚飾は排除すべきでしょう。
いくら面白い本だとしても、面白く書きすぎるのはよろしくないと思います。
王道のノンフィクションとはこういうものではないと考えます。
ただ、アマゾンのレビューを見ると大変評価が高く、刑事ものに関心のある方は、読んでみてください。
これは、フィクションでもノンフィクションでも同じ問題点ですが、事実を重視するノンフィクションでは特に重要な点になります。
具体的には・・・
「彼にとって初めての大きな事件だった」という文章があります。これは「彼」を主人公にした3人称の視点です。
取材したことを「物語」として表現しているわけです。これはいいでしょう。
しかし、「彼は(自分は元来、刑事向きの性格ではなかった)と語る」という文章も出てきます。これは3人称でしょうか? 彼が語った相手は私(筆者)ですから、この文章の視点は1人称です。
こういうふうに、視点(人称)を混ぜるのは、ノンフィクションとしてどうかと思います。
また、主人公が小学生だったときの同級生との会話が「 」で表現されていますが、これはいくら何でも作り話ではないでしょうか?
「本格ノンフィクション」と謳っている以上は、虚飾は排除すべきでしょう。
いくら面白い本だとしても、面白く書きすぎるのはよろしくないと思います。
王道のノンフィクションとはこういうものではないと考えます。
ただ、アマゾンのレビューを見ると大変評価が高く、刑事ものに関心のある方は、読んでみてください。
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