コロナ時代の選挙漫遊記(畠山 理仁)2021年12月13日 22時33分47秒

コロナ時代の選挙漫遊記
知る人ぞ知る「選挙ライター」の畠山さんの本です。
タイトルに惹かれて読んでみました。
と言うのも、ぼくも選挙が大好きなんですよね。もちろん棄権したことは一度もありませんし、国政選挙の選挙速報は深夜まで見ないと気が済みません。

で、この本ですが、ぼくは現場からのルポルータジュと思って読み始めました。しかしそういう本ではなく、著者の感想・意見・主張が主旋律となったエッセイという色合いの濃い作品でした。
選挙漫遊記という言い方は、まさにその通りでしょう。
大変おもしろく読みましたが、著者の主張のくり返しがちょっと目立ち、もう少し編集の工夫があってもよかったように感じました。

この本の中のすべての選挙で最も興味があったのは、維新の会が仕掛けた大阪都構想の住民投票です。
ところが、この章はページ数が少なくて、僕としてはもっと読みたかったなという感じです。
維新の会が都構想にかけたこれまでの費用は100億円なんだそうです。
民主主義にお金がかかることは分かりますが、政治は結果責任です。2回も否決されたことを、政治家たちはどう思っているのでしょうか?
本来、住民投票とは民意を汲み上げ、可決にならなければいけない性質のものだと考えますが、どうでしょうか。

著者ならではのユニークな1冊です。畠山さんにしか書けないでしょう。
興味を持たれた方は、読んでみてください。