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未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと(奥 真也)2021年09月29日 22時59分06秒

未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと
あまり褒める部分のない本は、そもそも書評を書かないのですが、この本は一こと言いたくなりました。
本書は、河合雅司さんの『未来の年表』の成功にあやかって、その医療版を世に出そうと作られたのでしょう。
しかし、そのクオリティーがあまりにも低すぎます。
カバーには、何年後に医療がどうなると年表が載っており、「すべてに根拠あり!」とも書かれています。
いったいどこにそんな根拠があるのか?
たとえば、2032年に日本で安楽死が合法化され、安楽死科という診療科ができると書いていますが、その根拠はどこにも書かれていません。
要するにこれは筆者の「勘」でしょ?
そんな飲み屋の与太話みたいなものを講談社新書に載せないでよ。
いいかげんにもほどがある。
そもそも筆者は医者としての臨床経験に乏しく、医療について語れるような人ではない。
ぼくは34年医師をやっているが、今でも「いい医療とはなんだろう」と毎日考えながら診療をしています。
医療未来学の第一人者だかなんだか知れないけれど、あんまりテキトーなことは書かないでほしい。
講談社もこういうくだらないパッケージングで本を作らないでほしい。
ますます、岩波新書・中公新書と差が開くと思う。