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さようなら、立花隆さん2021年06月23日 12時43分54秒

さようなら、立花隆さん
立花さんの訃報に接し、一つの時代が終わったと感じ入りました。
立花さんは日本のノンフィクションや個人ジャーナリズムの先駆けとなった人です。
『田中角栄研究』は田中内閣を倒しました。この本は文春の企画として始まりました。膨大な資料を仲間たちと紐解き、ジャーナリズムに科学を持ち込んで、田中角栄の金脈がどのように築かれたのかを明らかにしました。
当時この本は大手メディアに無視されていました。つまり「そんなこと、誰でも知っているよ」という反応だったのです。
しかしその「誰でも知っていること」をなぜメディアは報じなかったのでしょうか? それは科学的な裏付けがなかったからです。
この本には日本のメディアよりも外国特派員記者が鋭く反応しました。
結果、田中角栄は記者会見で立ち往生し、退陣に追い込まれるのです。

このころ、興味深かったのは朝日の本多勝一が立花さんのルポを評価していなかったことです。本多さんは「あるライターを使って書かせた」みたいな表現をしていました。
本多さんにとって、田中角栄というのは自民党保守本流ではなく、日本の独占資本深く繋がっていたのは福田赳夫という認識があったようです。つまり悪の本丸は福田ということですね。
文春も当時は保守反動の出版社でしたから、立花さんがさらに追求を深めようとすると立花さんを切るという行動に出ます。
この企画は福田派が仕掛けたという噂もありましたし、田中にダメージを与えてもある一線は超えないという暗黙の縛りがあったのかもしれません。
立花さんはそれを超えそうになったのでしょう。

本多さんは立花さんを評価してきませんでした。でもこの二人には共通点があります。それは筑紫哲也と仲が良かったことです。
奇しくも筑紫さんが言っていました。
「自分には、この人だけとは論争したくない人間が二人いる。必ず負けるから。それは立花隆と本多勝一だ」
二人はベテランになってから、接点ができました。それは「ノンフィクション朝日ジャーナル大賞」の審査員を共に務めたことです。
審査員は両氏を含めて5名くらいでしたが、選考座談会では立花さんと本多さんの評価がいつも一致していることには驚きました。本多さんもこの時期は立花さんのことを認めていたのかもしれません。

立花さんには「知の巨人」という尊称が付きます。今の時代はあちこちに「知の巨人」がいますが、やはり立花さんみたいな人はほかにいないでしょう。
彼の本は大作主義で一つ一つが深く重い。それでいながら多作なんですね。そこがすごいと思います。
また、これはあまり言われていませんが、彼は稀代のステーリーテラーだと思います。とにかく話が面白い。面白い文章を書けるのは才能です。

『宇宙からの帰還』は、この世にこんな面白い本があるのかと思いました。宇宙飛行士が宇宙から地球を見て、哲学者・宗教者に変わっていくんですよね。
『精神と物質』は驚異的な本です。世界一のサイエンティストと最先端の科学の話をするのですから、その面白さったらありません。
『ロッキード裁判傍聴記』を読むと、田中角栄が賄賂を受け取っていたことが極めてクリアに証明されていることが分かります。いまでもロッキード事件はアメリカが仕掛けた陰謀みたいな噂がありますが、まったく馬鹿げた話です。
この本に続く、『ロッキード裁判批判を斬る』も、面白い。論理学の教科書みたいな本になっています。
『脳死』3部作は、日本の脳死議論をリードしました。医者がアバウトに脳死を論じようとすると、立花さんは純粋に医学的に脳死を語って論駁します。この面白さ、この論理性。脳死を専門とする医者にも書けないような本でした。
『臨死体験』は、科学とオカルトが混ざった本です。それでも最後は科学的立場に着地します。この本を書いたあたりから、立花さんは死を意識するようになったような気がします。

そのほか、面白い本はいくらでもあります。
毎日新聞に『昨日読んだ文庫』という文章を寄稿したとき、ぼくは『精神と物質』を挙げました。No.1 を決めるのは無理ですが、やはりぼくは医者であり、分子生物学を学びましたので、どれか1冊と言われたら、この本を推します。

猫ビルはどうなっちゃうんだろう? 立花さん、天国で読書の続きをしてくださいね。そうだ、ワインもお好きでしたね。
では、ワインを飲みながら本のページをめくってください。

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