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「在宅ホスピス」という仕組み(山崎 章郎)2021年03月06日 17時33分15秒

「在宅ホスピス」という仕組み
「在宅ホスピス」と言われると、何か特殊なシステムのように思ってしまうかもしれませんが、これは自宅で緩和ケアを受けて人生を全うすることを指しています。
2025年には団塊の世代が後期高齢者になり、日本は多死社会になります。1年間に150万人の人が亡くなるとすると、「死に場所」としての病床が足りなくなります。
すると必然的に自宅で看取ることが多くなるわけです。
しかしそのためには、訪問介護のほかに、訪問医療チームが必要になります。
訪問看護ステーションは千葉市でもけっこう存在しますが、人生の最終段階をケアしてくれる訪問医はあまりいません。
ぼくがFacebookでつながっている「しんじょう医院」の新城先生は、そうした緩和ケアの訪問医です。NHKにも長期取材をよく受けており、テレビでその診療の様子を見たりすることができます。
開業医の中には、とても楽をしてとても高い収入を得ている人がいますが(たとえば、患者をみないで薬だけ出す)、新城先生はその逆の生き方をしているのでしょう。
そういう先生に自分の人生の最後を見てもらいたいと強く感じます。
この本の筆者の山崎先生もそういう先生です。ぼくの母校の大先輩ですが、ぼくは若い頃に読んだ先生の『病院で死ぬということ』の価値が理解できませんでした。
若いぼくはただひたすらに赤ちゃんや癌の子どもの命を助けることに全力疾走で、死ぬ=敗北と考えていたからでしょう。
そのうちぼくも経験を重ね、死=終わり、ではないと考えるようになりました。
またぼく自身も何度か大きな病気をし、死を意識しました。また今年は還暦です。
自分で人間としての総合力が落ちていることがよく分かります。
人生の黄昏にあって、よりよい死を考えるのは必然かもしれません。
この本には大事なことがたくさん書いてあって、深く心を揺さぶられながら読みました。
良書です。

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