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安楽死裁判(三輪 和雄)2020年12月11日 23時21分33秒

安楽死裁判
日本の安楽死を論議をする際に、極めて重要な位置にある事件です。
東海大学病院で起きたこの事件は、多発性骨髄腫の末期患者に塩化カリウムを注射して死に至らしめたという強烈なものです。
検察はこの事件を安楽死とは認めず、殺人で医師を起訴します。
弁護側も安楽死という主張はせず(要件を満たしていないので)、終末医療の一貫と主張します。
裁判官だけが、安楽死とは何かついて考察を深めます。
その結果、判決で示されたのが、日本の安楽死4要件です。

さて、この裁判傍聴記を読むと、今まで知らなかったことが明らかになりました。
まずは時代性です。1991年の出来事ですから、患者にがんの告知は行われていません。
すると、患者は自分の終末に関する意思表示をしていない訳です。
自分が亡くなるとは思っていませんから。
現代の医療で、がんを本人に隠すのは相当例外的でしょう。小児でも告知します。
自分の最期をどう迎えたいのか、かなりいろいろな方法で表明できる状況になっていますので、2020年とはずいぶん違う点があるでしょう。

それから家族の執拗な「早く楽にして欲しい」という要望です。この医師は、最後の最後まで治療をするのが医師の使命と考えていました。ところが家族は強烈な圧力を医師にかける人でした。医師はその圧力に負けたとも言えます。
すると、家族の態度は「殺人教唆」ではないかという疑問が湧きます。
安楽死に本人の意思が重要なのは、この点にあります。
もし、家族が「もう介護はうんざり」と思って医師に安楽死を依頼すれば、それは殺人教唆であって安楽死とは大きく異なります。
だから自己決定が何よりも重要になるのです。

ぼくは、この医師は基本的にまじめな人だったと思います。
本書を読む前は塩化カリウムを注射するなんて、なんてひどい医師(人間)だと思っていましたが、おそらくギリギリまで追い詰められていたのでしょう。
患者の余命が幾ばくもないことを考えれば、情状酌量の余地は十分にあると考えます。