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ヤングケアラー わたしの語り――子どもや若者が経験した家族のケア・介護(澁谷智子ほか)2020年11月12日 22時58分29秒

ヤングケアラー わたしの語り――子どもや若者が経験した家族のケア・介護
これは久しぶりに出会った大変素晴らしい本でした。
7人のヤングケアラーが自分の体験を語ります。
子どもなのに、親をケア(介護)して、なんて可哀想・・・という次元からはるか遠くの領域にケアラーたちは生きています。
ケアを経験することで、子どもたちはつらい思いをしたということだけでなく、立派なことをしたという単純なことでもなく、人が生きていく上での生き方の幹みたいなものを築いていっているように見えます。
そこには家族に対する愛情もあるだろうけど、愛情だけではケアはできないようにも思えます。
ある部分では、愛情と関係なく、家族だからケアした面もあるでしょう。
そして子どもという成長の時期に、ケアに忙殺されることの中から、常人にはわからない家族観とか家族愛が育まれるのでしょう。
ぼくは、病児や障害児の「きょうだい」をたくさん見てきましたが、ヤングケアラーはそれに通じる一面があるものの、またそれとは違った人生の難しさと喜びを感じ取っているようです。
生きることってなんだろうと、深く考えることになる作品でした。
大変な好著です。ぜひ、オススメします。