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ケーキの切れない非行少年たち(宮口 幸治)2020年08月18日 22時04分16秒

ケーキの切れない非行少年たち
現在、大ベストセラー中の新書です。
うちの長女が読んだというので、ぼくも読んでみました。

「ケーキが切れない」というのは、話の「つかみ」の部分で、要するに非行少年の大半は、知的障害や発達障害、もしくは境界知能であるということが書かれています。
ま、身も蓋もない本ですね。
この本でも取り上げられていますが、以前に「獄窓記」という本がヒットしました。
(たしか)詐欺罪で服役した元民主党議員が書いた刑務所の中の話です。
そこでは、やはり知的な問題、認知の問題を持った服役者が多数いて、筆者はこうした人を罰してどういう意味があるのかと問題提起をしていました。

本書はその少年版という感じです。
巻末には著者が考えた認知能力を上げるトレーニング方法が提案されているのですが、それにしてもちょっと悲しくなる本でした。
そのトレーニングでどれだけ認知が向上したか、そちらに重きを置いて書いて欲しかったです。

発達障害なら2歳で、知的障害なら6歳で判断可能ですから、その段階で社会と医療と教育がこの子たちを支援すれば、非行に走ることなもないはずです。
そういう支援の部分を分厚くする提案をもっとして欲しかったと思います。
多くの読者は、発達障害(特に知的障害を伴う例)に対して、非常にネガティブな印象を持つと思います。

この本が、新潮ドキュメント賞の候補に上がっていることに少し違和感を覚えます。というか、新潮さんは自社から出した本を、この賞の候補にけっこう上げるんですよね。ちょっと?と思います。

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