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野越えやぶ越え『医車』の旅(なだ いなだ)2020年07月17日 22時35分52秒

野越えやぶ越え『医車』の旅
「なだ いなだ」と言えば、慶應の精神科医で作家でもあった方です。2学年上には北杜夫がいました。
慶應の精神科、恐るべしですね。
なださんは、6回芥川賞にノミネートされて、すべて受賞を逃した記録を持っています。
この本はそういった純文学ではなく、自伝的な小説です。
この本を最初に読んだのは、医学生の頃だったと思います。ふと再読したくなって古本で購入しました。
飄々と書いていますが、ユーモアのセンスもいいし、ペーソスもあって、読者の心をコロコロを転がすところは、さすがの筆運びです。本当に上手です。
なんだか、昔読んだときよりも、今回の方がおもしろかったな。
自分が医師としての経験を積んだから、なださんの思いが分かるからかもしれません。

医者で作家の人はみんな青春の頃の自伝を書いているんですよね。
その気持ち、分かるなあ。