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孤塁 双葉郡消防士たちの3.11(吉田 千亜)2020年04月08日 14時47分18秒

孤塁 双葉郡消防士たちの3.11
3・11をどう描くか? ノンフィクション作家であれば、誰でも考えることです。
本という、あるい意味では小さな世界の中に、地震・津波・メルトダウン・死を描くということは極めて困難です。
それでも多くの作家たちが、自分なりの手法でこの問題に取り組んでいきました。
傑作と評される作品もいくつも生まれました。
しかし3・11が完全に描き切れたかというと、それはまた別でしょう。

本書は、消防士から見た3・11です。これまでに無かった着眼点です。
筆者は66人の消防士から話しを聞いて本作を仕上げています。硬筆な文章で、事実を淡々と積み重ねていきます。まさにノンフィクションの王道を行くような筆致です。
取材も相当大変だったと思いますが、話しを聞いたあとに、それを捌くエディットの面にとても苦労したと思います。
結果として骨太の大作に完結しました。

現在、ノンフィクション作家たちが考えていることは、新型コロナウイルスという100年に1度の疫病をどうやって描くかということだと思います。
あと、何年かしたら、また傑作が生まれて来るんじゃないかな。

なお、本文と関係ないことを2つ。
この本は、タイトルを含めて装丁が素晴らしいと思います。
それから、ソフトカバーで1800円は高い。岩波の本は(最近なのかな?)総じて高価だと思います。300円くらい下げてくれないでしょうか。その方がはるかに売れると思います。

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