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ヨミドクターに寄稿2020年03月04日 21時29分46秒

臨時休校になりましたね。
幼稚園も自由登園になっている所が多いようです。

学校が休校になって、子どもたちは日常をどう過ごせばいいのでしょうか?
ヨミドクターから依頼されて、寄稿しました。
よかったら読んでみてください。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200302-OYTET50016/

本当に早く終息して欲しいですね。
なお、うちのクリニックには、新型肺炎を疑わせるような患者さんは一人も来ていません。

死ねない時代の哲学(村上 陽一郎)2020年03月12日 22時31分08秒

死ねない時代の哲学(村上 陽一郎)
ぼくは、安楽死とか、尊厳死とかについてあまり多くの知識は持っていません。
ただ、多くの死には立ち会ってきたので、自分なりの死生観はあります。
小児科医・小児外科医を目指す医学生って、いろいろな動機がありますが、そのうちの一つが「人間の死を見たくない」というのがあるんですよね。
大人の医療に関われば、(極論を言えば)治療をした数の死があるわけです。
その点、小児医療ではそういうことがない。
ない、はずなんですけど、例外があります。それは小児がんです。
いろいろな形の死を見てきて、人生って不条理だなとも思ったし、死は恐怖ではないとも思いました。
ぼく自身は死を迎えるとき、何の不安も恐怖も感じないと思います。
だけど、子どもたちともう会えなくなると思うと、切ないなあ。
そういう意味で、「生きるとはつながり」だと思います。

村上先生の本はかなり以前から(大学生の頃?)からずっと読んでいます。昭和11年生まれですから、ぼくの亡くなった父と同じ歳ですね。文章に接すると、なんだかほっとするんですよね。

瓦礫の死角(西村 賢太)2020年03月16日 21時29分04秒

今回も楽しませて頂きました。
読めない漢字も例によってところどころありました。
鉄壁のワンパターンなんですが、語彙が豊富というのはどういうことなんでしょうか?
時代ががった大仰な表現の中に必ずユーモアが混じっているところも西村さんの特徴です。
「魔太郎」が出てきたときには笑ってしまいました。
ノンフィクションばかりを読んでいると、突然、こうした私小説を読みたくなります。
堪能しました。

「駅の子」の闘い 戦争孤児たちの埋もれてきた戦後史(中村 光博)2020年03月18日 12時45分41秒

「駅の子」の闘い 戦争孤児たちの埋もれてきた戦後史
これはちょっとすごい本でした。
戦争孤児の話です。取材をしたのは、NHKの記者。確かに個人の力でここまでは、なかなかできないでしょう。
戦争で親を失った子どもたちは乞食になるわけです。まるで野良犬のような存在になります。
夜露をしのぐには「駅」が優れているので、こうした子どもたちは上野駅や京都駅に集まります。
この子達に共通して存在する思いは、大人に対する不信感です。
大人の都合で戦争を始め、大人達の失敗によって祖国が焦土になり、子どもは親を失う。そうした子どもたちは浮浪児になるしか生きる道はないのです。
だれからも「ぬくもり」を与えられす、食べ物も与えられず、浮浪児は盗みをしたり、残飯を喰って生き延びるのです。

しかし中には餓死する子どももいます。そんな子を見て、生き延びた人が言います。
「この子は何のために生まれてきたんだか」
なんと切ない言葉でしょうか。
自分の母親を失った(当時)子どもの言葉も重いです。
「言っちゃ悪いが、途中から嫌になってしまってね」
被曝して、瀕死の重症を負った母の背中には虫が湧いてくるのです。
子どもはもう投げやりになってしまうんです。

最も重かった言葉は、
「よく身に沁みましたよね、人の冷たさっていうのかね。日本人というか、人間は、案外そういう冷たさを持っているんじゃないかと思うけどね」

こういう戦争を起こしたことを、今の政治家たちは本当に反省しているのでしょうか?
強くおススメする1冊です。

それでも読書はやめられない: 本読みの極意は「守・破・離」にあり(勢古 浩爾)2020年03月24日 15時53分01秒

それでも読書はやめられない
ん? この本は一体なんだ?
あの本読んでも理解できない、この本読んでも理解できないって・・・そんなことを本に書く必要があるのか?
それでも読書はやめられないのだから、本当に読書が好きなんでしょう。
でも、ぼくがこういう本を書くなら、理解できた本・面白かった本だけを書くな。
本読みの極意は「守・破・離」にあるそうですが、そんな難しいことは考えたこともないな。
本の楽しみは、とにかく「出会い」ですよね。
いつか必ず「出会い」があると信じて本の森の中に分け入って行くんですよね。
そうすると、「おお! こ、これは!」という本と出会うんです。
めったにそういう機会はないんですけど、読書はやめられないですよね。
あ、著者と同じ結論になってしまいました。