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ルポ トランプ王国2: ラストベルト再訪 (岩波新書) 金成 隆一2019年10月16日 22時31分51秒

ルポ トランプ王国2: ラストベルト再訪
トランプを支持する(あるいは反対の立場に立つ)庶民を描いた金成さんの3作目のルポです。
今回も大変面白く読みました。
全体的な感想を言うと、アメリカというのは本当に広い国で、国民の政治的な考え方に大きな違い・幅があり、これを一つにまとめるのは、まあ、どう考えても不可能ということです。
その理由の一つとして宗教があります。
深南部のバイブルベルトでは、キリスト教福音派の人たちが神の存在を信じて、聖書に書かれていることを信じている訳です。
で、そこにはそもそも民主党というものが存在しません。
この人たちが、ニューヨークのリベラルな人たちと分かりあえるなどということは、永遠にあり得ないでしょう。

前回の大統領選は、トランプが勝ったのではなく、ヒラリーが負けたのだという指摘があります。
民主党は、メインディッシュはヘルシーなブロッコリーと言い、トランプはジューシーなステーキと言った訳です。
民主党が性的少数者がどちらのトイレに入るべきかを論じていたときに、トランプは労働者の雇用を拡大すると約束した訳ですね。
ヒラリーはガラスの天井などと言っていましたが、本質はそういうことではまったくないと思います。
2020年にまた大統領選がありますが、トランプが勝つかどうかは、民主党からどれだけ優れた人が出てくるか決まるでしょう。
トランプがいかに失言しようと、道徳的に間違ったことを言ったりやったりしても、支持者にとっては全然マイナス評価になりません。世論調査のトランプの支持率はそれほど高くありませんが、草の根レベルでは根強い支持がありますので、簡単に負けることはないのではないでしょうか。
良書です。