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遥かなる甲子園(山本おさむ)2019年04月14日 19時24分26秒

遥かなる甲子園(山本おさむ)
漫画全10巻を読みました。
先天性風疹症候群により、難聴として生まれて来た子どもたちが、野球で甲子園を目指す話です。
もう少し正確に言うと、高野連に加盟することに球児たちや大人たちが奮闘する物語です。
原作はノンフィクション。
それを山本さんが脚色したようです。

ろうの問題には、昔から関心があります。
耳が聞こえないというのは、人と人とのつながりが切れる障害です。その苦労は私たち健聴者にはとても理解できないでしょう。
ぼくの患者で、高度難聴の子がいます。いえ、もう20を超えましたから大人ですね。
この子のことは、拙著『命のダイアリー』で書いたのですが、今から考えると表現が全然十分ではなかったような気がします。
就職にあたっては、ぼくも企業に相談を持ちかけたりしました。
結局、自分の力で就職先を見つけたので、ぼくの出る幕ではなかった感じです。

ろう学校の中では、手話や指文字を使って生き生きと生活していたその子も、会社の中では意志の疎通がうまくいかず、毎日が辛い思いだそうです。
聞こえないと電話も取れませんから、仕事の上での困難は筆舌に尽くしがたいものがあるでしょう。
もちろん、この子はもうぼくのクリニックには通っていませんが、時々、お母さまとはメールで連絡を取り合って、本人の近況などを教えてもらっています。
ぼくにできる具体的な支援はほとんどありませんので、ぼくは親子の話を聞いて励まし続けています。これくらいしかできません。

山本おさむさんには、『どんぐりの家』という名作もあります。
あの作品にも泣かされましたが、本作も涙無しには読めませんでした。
義務教育に道徳なんて入れる必要はないから、手話を教えればいいのにと思います。
それから、風疹の流行はなかなか解決しませんね。
みんな人ごとと思っているのでしょうか?
対象の人は、有給休暇をとって抗体価をチェックして、必要な人はワクチンを打って下さいね。

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