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障害を持つ息子へ ~息子よ。そのままで、いい。(神戸 金史)2018年12月30日 11時33分46秒

障害を持つ息子へ ~息子よ。そのままで、いい。
本のタイトルが、本の内容のすべてを物語っています。

拙著「小児がん外科医」に、魁斗君という小児がんの子がでてきます。
5年に及ぶ治療を行いますが、魁斗君は10歳で命を失います。
お母さまはずっと病院に寝泊まりをして、魁斗君と生活を共にしました。
私は今でも魁斗君のお母さまと連絡を取り合っています。
お母さまはもう一度、魁斗君に生まれて来て欲しいそうです。その気持ちがとても分かるので、私は言ってみました。
「そうだね。今度はがんにならない人生で生まれて来て欲しいね」
するとお母さまの答えはこうでした。
「がんになって良いんです。あの魁斗にもう一度会いたいんです。がんに罹らなかったら、それは違う子だと思います」

そうなのか。母親ってそう考えるのか。
我が子の障害を受容するということも、そういうことかもしれない。

本書の神戸さんもいろいろなことを考え、いろいろなことを乗り越えたのでしょう。
奥様も弟さんも。
そして気付いたのでしょうね。そのままでいいと。

この本の中には、「そのままでいい」という境地に到達できないままに、無理心中をしてしまう親子が描かれています。
辛い気持ちは私もよくわかりますが、お子さんは死にたいとは思っていないはずです。
自閉症児を抱えて辛い思いをしているご家族は、ぜひ、仲間を作ってください。仲間の輪に加わってください。
この世はそんなに捨てたものではありません。
少しずつ時間が経過していくことで、少しずつ心に余裕が生まれていくはずです。
今の苦しみに、絡め取られないでください。

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