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地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」 (講談社現代新書)青木 美希2018年12月01日 21時30分02秒

地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」 (講談社現代新書)
医学ジャーナリスト協会賞受賞作です。
ただし、内容は医学とはほとんど関係なく、福島第1原発事故のあと、地域と人がどんなに悲惨な状況になっているかを描いた記録です。
非常に丁寧に、多くの取材をしており、一流のジャーナリストの報道力はさすがだなと思わせられます。

しかしながら、本というのはフィクションであれノンフィクションであれ、文学の一種ですから、本という世界をきちんと構成していたかというと、それはどうなのかと少し考え込みました。

この本は全部で6章からなっていますが、一つ一つがかなり異なる話です。取材した内容を、読者に報告していったという感じです。
もちろん、ルポルタージュにも短編集はありますが、短編を集めることで1つの本としての世界観がでるはずです。
筆者は事故後の7年を追っている訳ですから、その7年をどう描くか、もっと本の基本的な骨格を考え抜いても良かったように感じます。
この事故に関連する人たちで、情報を少しでも欲しいという人にとっては貴重な内容です。
ですが、ルポという文学を読みたい人には、もう少し異なった表現を求められる可能性があるように思えます。

ま、そんな感想を言うのは僕だけかもしれません。

ただ、いずれにしても事実の一つ一つは重くて貴重なので、原発事故「後」について知りたい方にはオススメです。

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