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ここは、おしまいの地(こだま)2018年10月10日 19時26分46秒

ここは、おしまいの地(こだま)
こだまさんのエッセイです。
ぼくはエッセイを年に数冊しか読まないため、エッセイの価値を評価する力はありません。
しかし彼女には体験があって、感性があって、表現力があることがとてもよく分かります。
ブログを使って誰もがエッセイを書ける時代ですから、こうして紙の本としてエッセイを出版するだけでもすごい。
そして講談社の賞を取るのだから、並の才能ではないと思います。
この本はカバーデザインも優れています。
写真はこだまさんが撮ったようですが、デザインは鈴木成一デザイン室ですね。なるほど、道理で。
エッセイ好きな人には、文句なしにオススメです。

わが家の母はビョーキです(中村ユキ)2018年10月10日 19時38分41秒

わが家の母はビョーキです(中村ユキ)
統合失調症の自分の母親を描いた漫画です。
15万部のベストセラーですから、けっこう有名な本かもしれません。

切ない、切ないお話で、本当に読んでいて辛くなります。
作者は反省点として統合失調症について勉強が足りなかったことをあげていますが、その間、一体医者は何をやっていたのでしょうか?
医療で一番重要なのは「診断」です。そしてその次が「予後」を説明することです。(治療は一定レベル以上の医者であれば差は出ない)
患者の見通しを家族に可能な限り正確に伝えないと、家族は出口の無いトンネルを延々と這いつくばることになり、本当に辛いと思います。

この本は最後になってようやく「救い」が出てきますが、言ってみればそれは偶然のようなものです。
医療をする側の力不足をものすごく感じる作品でした。

心の病は本当に苦しい病気です。
本書のお母さまが少しでも元気になられることを心の底から祈っています。

統合失調症はよくある病気ですから、みなさんもぜひ読んでみてください。