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紛争地の看護師(白川 優子)2018年09月06日 20時14分31秒

紛争地の看護師(白川 優子)
ぼくの先輩の医師も「国境なき医師団」に参加しています。
この本は、手術室看護師として「国境なき医師団」に加わった女性の手記です。
ぼくの先輩もこの看護師さんも本当に立派で頭が下がります。
病弱なぼくにはとうていできない仕事です。
そのことは間違いないのですが、そのことと本の出来栄えはまた別に論じるべきでしょう。
本書は、戦争・紛争・内戦を描いた記録文学でありルポルタージュになっています。
そういう視点からは非常に貴重な文学作品になっていると言えます。
しかしそこで筆者自身が「看護師」としてどう考え、どういう「看護」をしたのか、そこの部分が少し足りないように感じました。
筆者は「国境なき医師団」として活動しても紛争は無くならないのだから、ジャーナリストになろうと思ったそうです。
結局その道は断念するのですが、そうであるからこそ、紛争地で「看護師」として働く意味をもっと突き詰めて欲しかったと思います。
本作はまさにジャーナリストが書く作品になっていて、書き手が看護師である必然性があまり感じることができませんでした。
つまりもっと良い作品に仕上げることができたのではないでしょうか?
ぼくの妻も「手術室の看護師」です。「手術室の看護師」は「病棟の看護師」とは、「看護」の基盤とか根本理念とかが別のところにそれぞれ存在するんですよね。
「紛争地の看護師」というタイトルにはとても惹き付けられますが、外科チームの一員として「国境なき医師団」に加わっているのであれば、自分が医師と違って何を達成したのか、もっと追求しても良かったと思います。

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