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おもたせしました。3 うめ(小沢高広・妹尾朝子)2018年05月27日 12時42分11秒

おもたせしました。3
文学Xグルメという独創的な漫画の第3弾です。
残念ながらこの号をもって最終回のようです。

美味そうな食べ物と、え?それは知らなかった!という文学蘊蓄満載ですが、何と言っても最初の「新潮社クラブ」の話が秀逸です。
一般の人がどれくらい興味があるか分かりませんが、ぼくのように多少とも書くことに関わっている人間にとっては興味津々の話です。
ぼくは一度、新潮社から本を出すか出さないかギリギリのところまで折衝した経験があって(結局出せなかった)、新潮文庫のファンでもあり、作家が「缶詰」になる建物と聞くだけで、猛烈に細部を知りたくなります。
この本では、新潮社クラブの内部レポをやってくれており、夢中になって読んでしまいました。
開高健が半年こもって22枚しか書けなかったというのはすごいエピソードです。
開高さんは、書いた文章を校正せず、1発で決めるという話を聞いたことがあります。スラスラ書きまくるというイメージがあったのですが、そんな開高さんでも文章に詰まることがあったのですね。
しかし考えてみれば缶詰とは効率の悪い労働のしかたで、もっと気分を変えたりしながら書いた方が筆が進むような気がするのですが、どうなんでしょうか?

いずれにしても、3巻で作品は終了。次はどんな作品でしょうか??