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愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書) 岡田 尊司2018年05月25日 22時38分56秒

愛着障害 子ども時代を引きずる人々
子どもの頃に親からどういった愛情を受けたか、このことはその人の人格形成に大きな影響を及ぼすことは容易に想像がつきます。

ぼくは人として欠点が多く、大学病院に在籍していた間、ぼくの後輩はもしかしたらイヤな思いをしたこともあるでしょう。
現在でも毎日クリニックで多くの人と接していますが、ぼくは「お愛想笑い」はしませんし、「お世辞」も言いませんし、「猫なで声」も出しませんし、取っつきにくいと思っている保護者も多いかもしれませんね。

ぼくの最大の欠点は人を赦す能力に乏しいことです。
アントニオ猪木は師匠のカール・ゴッチを評して、「ゴッチは人を赦すことができない」と言いましたが、ぼくにもそういうところがあります。
謝っている人間を赦さないとか、ささいなミスに腹を立てるとか、そういうレベルではありません。
生き方が決定的に異なるような場面で他人と対立すると、まあ、水に流して・・・などと妥協することが苦手なんですね。

人間の生き方にはいろいろな価値があると思いますが、最も基本的で大事なことは、正義だと思います。もちろん正義と正義がぶつかって戦争になるわけですが、ぼくの言う正義はもっとささやかなものです。
つまりお天道様の下を堂々と歩けるような人生を歩んでいるかどうかです。
ぼくのように歳を取り、長く生きると、正しく生きていない人と衝突することがあります。
衝突しても、時間が経って和解すればいいのもを、ぼくは赦すことが上手にできません。
これはたぶん、自分の生い立ちに関係すると思います。

こうした欠点を直したいと思いつつ、こんな老人になってしまいました。
病膏肓に入るという感じです。
ま、死ぬまで治らないでしょう。

この本は、愛着障害をキーワードに、子ども時代を引きずる人々を描いていて大変勉強になりました。
筆者は東大文学部を中退していて、京大医学部を卒業したというのですから、天才的知能の持ち主ですね。
世の中にはそんな人もいるのだと感心します。

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