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がん治療革命の衝撃―プレシジョン・メディシンとは何か (NHK出版新書) NHKスペシャル取材班2017年09月18日 22時59分40秒

がん治療革命の衝撃―プレシジョン・メディシンとは何か
これは大変いい本でした。医療に興味のある人は、絶対に読まなくてはいけない作品です。
現代のがん治療の最前線が分かります。
僕が大学で小児がんの研究をしていた頃は、「オーダーメイド医療」と言っていましたが、現在では「プレシジョン医療」と言います。
オーダーメイドはむしろ言い過ぎで、プレシジョン=最適な医療を目指す訳です。
思えば肺がんに対してイレッサが登場した時、僕は同世代の研究者たちの研究成果の集大成が日の目を見たと感じました。
ところがイレッサはそれほど効果を示さず、間質性肺炎という副作用で命を失う人が続出しました。
しかしここが新たな出発点でした。
肺がんの中でもEGFR遺伝子に変異のある人を選んでイレッサを投与するという道へ進んだのです。これがプレシジョン医療の始まりだったのかなと僕は思います。
基礎研究というのは、一見無駄に思えても地道に煉瓦を一つずつ積み重ねるような作業です。しかも個人の研究は一つの煉瓦に過ぎません。
しかし最先端のがん医療を知ってみると、30年前に僕がやっていたこともその中の煉瓦としてしっかり役だっていたと分かります。あの時代、がん研究に参加して本当によかった。
がんの研究と治療はこれから益々「面白い」時代に入っていくと思います。
人材はまだまだ足りません。医学部や薬学部に入って最先端がん医療に貢献するというのは、やり甲斐のある人生の道の一つだと感じます。
若者よ、道なき道を進め!

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