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遺すことば 作家たちのがん闘病記 (文春MOOK)2017年08月12日 17時45分03秒

遺すことば 作家たちの闘病記
興味を持って読みました。
一つ一つが重く深い話なので、じっくりと読み込みました。
最も驚いたことは、これだけ知的な人たちなのに、なぜ代替療法に走ってしまうのかということです。理由がさっぱり分かりませんでした。
「黄金のワラ」という言葉があります。
溺れる者は藁をもつかむ、ですね。
で、そのワラが数十万円も数百万円もするんです。だから黄金のワラ。
「お前も癌の末期になれば分かるよ」という言葉が聞こえてきそうですが、ぼくは絶対そんなものにお金は使いません。
子どもたちに遺産として残した方が良い。

それから、けっこうシビアな闘病記が多かった。
「自分が死ぬなら癌がいい」と公言するお医者さんを時々見ます。癌は、脳血管障害や心臓病に比べて、ゆっくり逝けるので、人生をちゃんとクローズできるとの理由からです。
しかし本書に出て来る人たちは、苦しみながら最期を迎えた人が多かった。
ああいう痛いのはイヤですね。

それにしても、作家が書くのだからどれだけ面白い闘病記かと思いましたが、本職の作品には全然及ばないように思えます。
江国滋さんの本が面白すぎたからかもしれません。
ちなみに一番面白かったのは、米原万里さんの文章です。黄金のワラにすがろうとするのですが、同時に、科学的根拠を確かめようとすることが興味深かったです。