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知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能 (朝日新書) 野口悠紀雄2017年03月22日 22時09分18秒

知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能
これはとても面白い本でした。
知識・情報がどのように進化してきたのかを解き明かし、ある意味、グーグルが現代の世の中を支配している構造を見事に分析しています。
数々のベストセラーを書いた野口悠紀雄さんの面目躍如という感じでしょう。

数年前にノンフィクション作家の佐野真一さんにインタビューしたことがありますが、その時、佐野さんはネット社会が何をもたらしたか誰かが総括しないといけないと言っておられました。
野口さんの分析は、まさに現代という時代の情報の仕組みを鮮やかに説明しています。

今の子どもたちは、テレビなどは観なくてYou Tube を観ると言われていますが、あと20年くらいすると、倒産するテレビ会社やラジオ会社が出てくるかもしれません。
雑誌も終焉に向かうのかも。

電子書籍はこれからも伸びていくでしょうけれど、紙の本は残ると思います。これは野口さんも指摘しています。

新聞はどうでしょうか? やはり残るのではないでしょうか?
新聞はかつては第4権力などと評されました。
現在はそういう力は無いようです。
権力を監視することがジャーナリズムの本来の役割ですが、新聞は、もしかしたら政権に密着して影響力を持った方が生き残れるかもしれません。
つまり公明党のように野党より与党の立場ですね。
政権党と共にあれば、滅びることはないかもしれません。

情報の拡散の仕方は、これまでにはあり得ない形になっています。ジャスミン革命の例を持ち出すまでもありません。
僕はつい最近まで、BUZZ FEED というネットメディアの名前を知りませんでしたが、情報の発信という形態からいうと、こうしたメディアは既存のジャーナリズムを凌いでいく可能性があります。
ヴァイラルメディア(ウイルスのように広がっていく)と言うそうです。

世界でインターネットが広がり始めたのが1995年。
それからまだたったの20年ちょっとですが、知識・情報のあり方は完全に様変わりしました。
僕はあと何年生きられるかわかりませんが、自分の孫の代には、今とまったく異なる社会が出来上がっているかもしれません。

ま、しかし人工知能がこれだけ話題になっている時代なのに、ワープロの変換能力のひどさはどうにかならないのでしょうか?
ミスタッチしても、僕の意を汲んで文章を書いて欲しいものです。

「知の進化論」という大仰なタイトルに負けない内容の充実した1冊でした。ぜひ、オススメです。

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