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つかこうへい正伝 1968-1982 (長谷川 康夫)2016年07月08日 22時55分22秒

つかこうへい正伝 1968-1982
この本はどのように評価したらいいかよく分かりません。
まず、そもそも僕は「つかこうへい」の演劇を観た経験がありません。
「ジャイアンツは負けない」という本は読んだような記憶がありますが、たぶんそれは高校生の頃でしょう。
内容に関してまったく記憶がありません。
要するに僕は「つかこうへい」のファンではない。
だからこの本が面白いのか面白くないのかよく分からないのですよ。

タイトルは「正伝」ですが、本当にそうなのかな?
長谷川さんの「つかこうへい」に関する個人的な体験を記しているように感じました。
別にそれは悪いことではないのですが、いわゆる「評伝」とはちょっと違う気がしました。

そしてこの量。
600ページ近い分量はちょっと多すぎるように思えますし、必然だったような気もしますし、何を書いて、何を削るかは本当に難しいですね。
「つかこうへい」ファンにとっては、この600ページは至福の時間を感じさせてくれるのでしょう。

「つかこうへい」の「口立て」を描くという意味もあったし、「つかこうへい」にまつわる記録を残したかったという意味合いもあったでしょう。

ま、結論としては、一気読みできるような本ではなかったけど、記録文学として重厚で意義ある作品かなと思えた・・・という感じでしょう。

文学・芸術にはとても狭い世界を通じて、極めて普遍的なことを描くということが可能ですが、本書はそういうことは最初から考えていない作品です。
実に私的ですが、それがいいという読者にはたまらないのでしょう。
文学の役割って何だろうって、とても考え込みました。

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