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東京トイボックス(うめ)2016年07月03日 21時35分28秒

東京トイボックス(うめ)
東京トイボックスの1〜2巻を紙の本で買い、大東京トイボックスの全10巻をデジタルで買いました。

このブログでマンガの書評を書くことはあまりありません。それはなかなか読む時間が取れないからです。
忙しくて映画を観ることができないのと同じですね。
マンガを文化として軽く見る気持ちは僕にはまったくありません。
前にも書きましたが、僕が本を書くときにマンガからも強く影響を受けています。

ではなぜ本書を読んだかと言うと、「スティーブズ」の画風がとてもよかったからです。
でもちょっとだけ買う前は躊躇しました。
これはゲーム業界の話です。
僕はゲームをやった経験がほとんど無いのです。
(スーパーマリオを数回やっただけで、RPGは未経験)
ゲームが分からない上に、もし、分かったとしても、これって余りに狭い世界では? という危惧がありました。
しかし読んでみればそんなことは関係ありませんでした。

ゲーム業界、、、確かにニッチかもしれません。
でもどんな隙間の世界を舞台にしても普遍的なことを描けるということを本書はクリアに証明しています。
絵の魅力もあるけど、原作の力もある。つまり世界観がしっかりしているのですね。

マンガの表現力のキモはつまるところコマ割りだと僕は思っていますが、本書もそれがいい。
こういう表現力は見習わなくてはいけません。本を書く時にも応用できます。

そして背景の描写がいい。
僕がマンガを評価する基準の一つが背景です。
スクリーントーンを貼り付けてばかりのマンガは好きではありません。
しっかり書き込んでいる作品が一流だと思います。
たとえば「ナニワ金融道」とか。
楳図かずおは大好きな作家ですが、時に背景が弱かったりします。
「スティーブズ」では、ジョブズのガレージを3Dで作って、それを背景に使っていると聞きました。
いや、新時代ですね。

最後にキャラの立て方。これだけたくさんの登場人物が出てくるのに、一人ひとりのキャラが立っているのはなかなか出来ることではないと思います。
また、ヒロインが秋田弁なのがめっちゃイイですね。
(これは「スティーブズ」にも通じます)

マンガは本屋さんで立ち読みできないので、どんな内容、どんな絵柄なのか知ることが難しいですよね。
本を選ぶよりマンガを選ぶ方がはるかに難しいと思います。