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週刊読書人3月14日号2014年03月16日 20時19分38秒

週刊読書人3月14日号

http://www.dokushojin.co.jp/backnumber/2014年3月14日号

書評を書いて頂きました。
とても嬉しいです。有り難うございました。

幕張新都心イオン TSUTAYAさんで2014年03月18日 19時37分44秒

海堂尊さんのとなり
海堂尊さんのとなり。

「優生学と人間社会」 (講談社現代新書)2014年03月20日 20時45分13秒

優生学と人間社会
再読。
名著は名著。素晴らしい作品です。

「死の選択―いのちの現場から考える」森下 直貴2014年03月21日 15時20分49秒

死の選択―いのちの現場から考える
大変勉強になりました。

「なんといふ空 」(中公文庫) 最相 葉月2014年03月23日 21時45分23秒

なんといふ空
このエッセイには良い点がたくさんあって、こんな文章を自分も書けたら良いなと思うのですが、ぼくにはそういった才能が全く無いのでとても無理。
ただひたすらため息をつくように、「ああ、いいな」と思いながら読了しました。

短い文章の中に「知識」も「経験」も「感性」も凝縮した形ではいっています。
惜しげもないという表現がいいのかも。

第一話の「わが心の町、大阪君のこと」もよかったけど、ぼくの心に響いたのは「ふくろふはふくろふ」。
切ないんですよね、筆致が。
大きく揺さぶるんじゃなくて、コツコツと叩くように、心に入ってくる。その感じが何ともいい。

最後の文が特によかったですね。
「三十五回めの春が来てようやく、自分を少しだけ肯定できるようになった。」

素晴らしいじゃないですか。

それにしてもこういう書籍が絶版になってしまうというのは、どういうことでしょうか。
出版社の経済の論理はぼくにはよくわかりませんが、こういった本こそデジタルにならないのでしょうか?
本当に残念です。

「なんといふ空」を書いてからもう13年。
今なら最相さんはどういうエッセイを書くでしょうか?
ぜひ読みたいですね。

優生保護法が犯した罪―子どもをもつことを奪われた人々の証言2014年03月24日 20時13分44秒

優生保護法が犯した罪
日本には1996年まで優生保護法という法律があったんです。
1996年と言えば、わずか18年前ですよね?
この法律によって精神疾患の患者さんや障害者の人達、そしてハンセン病の患者さんたちが優生手術、つまり不妊手術を強制された訳です。
1948年から1996年まで、その数、84万5000人。
信じられますか?

不妊手術を強制された人達は、遺伝性疾患をもっていた訳ではありません。
そしてもちろん、たとえそれが遺伝病だとしても許されることではありません。

こういう思想の延長線上にあるものが、「出生前診断と命の選択」です。
個人が優生思想を持つと、それは社会的な優生思想に拡大します。

この本の中には女性(知的)障害者の介護を容易にするために、子宮を摘出する話も出てきます。
こんなことが許されていいのでしょうか?
アシュリー事件を想起させます。
http://www.amazon.co.jp/dp/4903690814

人が人として大事にされる、そういう当たり前の世界であって欲しいと思います。

「ハンセン病 重監房の記録」 (集英社新書)宮坂 道夫2014年03月26日 18時02分49秒

ハンセン病 重監房の記録
裁判で国が裁かれた訳ですから、国に責任があったという言い方もできるでしょう。
しかし最も責任が重いのは「医者」だと思います。
ハンセン病の治療を行うのは「内科医」。
日本内科学会はいったい何をやっていたんでしょうか?

人が偏見から抜け出すためには勉強が必要です。
だけど人って「試験」がないとなかなか勉強しないんですね。
ハンセン病の歴史を、大学医学部は医学生にきちんと教育して、良い医療をおこなうことこそが最高に倫理的であること理解させることが重要です。

和田心臓移植とハンセン病の隔離政策は、我が国の医学史上、最大の汚点です。
こういうことを教えない医学教育なんてまったくナンセンスでしょう。
ま、教えられる医者がそもそもいないか。

京都大学医学部「飛び入学」に思う2014年03月27日 21時11分10秒

国際科学オリンピックに出場した高校2年生に、「飛び入学」の道を開くそうです。
世界に通用する頭脳を、京大医学部で開花させようという試みなのですね。
京都大学が考えたことなので、ぼくには全然関係ないことですから、ま、どうでも良いと言えば、どうでも良いのですが、敢えて感想を述べておきます。

医者にとっても最も重要なのは「学力」ではありません。
ま、そこそこの学力があれば、「解剖学」と「生理学」は暗記できる。
臨床医学なんて、ある意味、パターン認識ですから、修行を積めば誰でも一人前になることができます。

では最も必要とされる才能は何かというと、倫理観だと思います。責任感と言ってもいい。
自分が診続けないと、この患者が死んでしまうと思った時に、たとえ何日徹夜しようと、患者のそばから離れない使命感のようなものを「自発的に」持てる人間が医師として強いのだと思います。

従って国際科学オリンピック出場などは医者の資質とは何の関係もありません。
むしろ人生を遠回りして、広く深く生きてきた人間の方が良医になるでしょう。
そしてそういう人間味に溢れる医者が、いつか医学部長になり、学長になった方が、京大はより良い大学になると思います。

京大としては、おそらく天才少年を集めて、将来 iPS細胞の山中先生のような学者をたくさん作りたいのでしょう。
しかし山中先生だって、整形外科医としての下積みがあったからこそ、今の業績があるはず。
純粋培養で天才を教育していっても、人の心が分からなければ一人前にすらなれないと思います。

最後に試されるのは「人間力」です。

「いのちの初夜」 (角川文庫) 北条 民雄2014年03月29日 23時54分42秒

いのちの初夜
この本も名作だと思いますが、この本を読んで「火花」を書いた髙山文彦先生の感性も素晴らしいと思います。