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京都大学医学部「飛び入学」に思う2014年03月27日 21時11分10秒

国際科学オリンピックに出場した高校2年生に、「飛び入学」の道を開くそうです。
世界に通用する頭脳を、京大医学部で開花させようという試みなのですね。
京都大学が考えたことなので、ぼくには全然関係ないことですから、ま、どうでも良いと言えば、どうでも良いのですが、敢えて感想を述べておきます。

医者にとっても最も重要なのは「学力」ではありません。
ま、そこそこの学力があれば、「解剖学」と「生理学」は暗記できる。
臨床医学なんて、ある意味、パターン認識ですから、修行を積めば誰でも一人前になることができます。

では最も必要とされる才能は何かというと、倫理観だと思います。責任感と言ってもいい。
自分が診続けないと、この患者が死んでしまうと思った時に、たとえ何日徹夜しようと、患者のそばから離れない使命感のようなものを「自発的に」持てる人間が医師として強いのだと思います。

従って国際科学オリンピック出場などは医者の資質とは何の関係もありません。
むしろ人生を遠回りして、広く深く生きてきた人間の方が良医になるでしょう。
そしてそういう人間味に溢れる医者が、いつか医学部長になり、学長になった方が、京大はより良い大学になると思います。

京大としては、おそらく天才少年を集めて、将来 iPS細胞の山中先生のような学者をたくさん作りたいのでしょう。
しかし山中先生だって、整形外科医としての下積みがあったからこそ、今の業績があるはず。
純粋培養で天才を教育していっても、人の心が分からなければ一人前にすらなれないと思います。

最後に試されるのは「人間力」です。