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フランシス・ベーコンとももクロ2013年05月11日 23時24分55秒

夏菜子のジャンプ
フランシス・ベーコンと聞くと誰を思い浮かべますか?
「知識は力なり」と言った16世紀の哲学者でしょうか?
絵画に興味のある人ならば、現在、国立近代美術館で開催されている絵画展の作家、フランシス・ベーコンを思い浮かべるでしょう。

ベーコンの画はいったん見たら、まず忘れられない大変特徴的な作風です。
僕は美術に関する専門用語を知らないので、ベーコンの画がどのようなものか、ここで説明するのはやめておきましょう。
興味のある方はググって画像を見てみてください。

さて、先日恩師の先生と話をしていたら、ベーコンの画には「パロディ」の要素が重要であると教えられました。
http://blogs.yahoo.co.jp/hashi_wineclub/39991225.html

パロディとは何でしょう?
それはユーモアという衣でくるんだ権威に対する反旗であり、批判ではないでしょうか?
嫌みや皮肉になってしまうとそのユーモアは大変見苦しくなりますから、パロディとはかなりレベルの高い批判精神や知的活動性が必要なのではないでしょうか?

ももいろクローバーZは自分たちのことを「今会えるアイドル」と言ってみたり、「インチキ・アイドル」と言ってみたり、「デタラメ・アイドル」と言います。
その真意がどこにあるのか正確には分かりませんが、彼女たちはアイドルと名乗りながらも、そのパロディとして活動していることは間違いないと思います。

彼女たちは、決して水着にはならず、ミニスカートははかず、ハイヒールは使いません(そりゃ、あの踊りじゃ無理だ)。
プロレス会場に登場した時は、グレート・ムタのように顔をペイントしていました。
今回のセカンドアルバムでは、マスクで顔を隠すという行為にもでました。
そして過去にはロックフェス「サマーソニック」やメタルフェス「ラウドパーク」に出演した経験もあります。

こういった部分は、完全にアイドルに対するアンチテーゼでしょう。
このアイドル・パロディは事務所の意向ではあると思いますが、彼女たちのメンタリティも関係していると僕は判断しています。

さて、今夜は千葉・幕張で、世界的なメタルロック・フェスティバルが開催されました。
ブラック・サバスが主催するオズフェストです。
(彼らの曲として、プロレスのロード・ウォリアーズの入場曲が有名)

まるで、観客集めのためにも思えるももクロの出演に対して、コアなメタルロックファンからはかなりの批判があったそうです。
しかし、ももクロには、ロック色の強い曲も多く、僕は彼女たちがけっこうガチでロックを披露するのではないかと予測していました。

ところが先ほどネットで朝日新聞を読むと、彼女たちは「アイドル衣装」に身を包み、「今、目の前にいる私たちがアイドルだ!。目の前にいるのが週末ヒロイン、ももいろクローバーZだ!」と声高らかに宣言したそうです。

こういうイベントでアイドル性を前面に出すなど、これはもうアイドルのパロディの極みです。
僕の予想は完全に裏切られました。

メタルロックというのが、体制に対する反逆ならば、メタルの会場でアイドルを演じることは、それ以上の強烈な反逆精神でしょう。
僕は見事だと思いました。

オリンパスから新しいPEN2013年05月12日 23時37分53秒

オリンパスから新しいPEN
いよいよ発売になるようです。
なかなかカッコ良いデザインですね。

EVFは外付けになるようですが、その姿もまたカッコ良いと思います。
ただ機能がアップしたせいか、重量も大幅にアップしています。
OM-D E-M5 とほとんど変わりません。

もう少し軽ければ、さらに魅力的だったような気もします。

百田夏菜子の不安とプライド2013年05月13日 19時52分27秒

オズフェスト後のももクロ
一昨日の続きを書きます。

百田夏菜子は自分たちのこと「インチキ」アイドルとか「デタラメ」アイドルと言っています。
これは一体どういう意味でしょうか?

「インチキ」という言葉は謙遜にしてもちょっと言葉が強すぎるような気がします。
笑福亭鶴瓶のラジオ番組では、鶴瓶師匠から、「インチキはないやろ? デタラメってことちゃう?」と聞かれて、彼女たちは納得していました。
「デタラメ」には二つの意味があります。
一つは彼女たちの「型」にはまらない「はっちゃけた」ステージのパフォーマンスです。
プロレス参戦しかり、K1大会でのライブしかり。
そういった自由奔放なスタイルは「デタラメ」と言ってもいいかもしれません。
そしてもう一つ。彼女たちはドーム公演などを控えても1−2週間前まで内容を事務所から教えてもらえないことで有名です。
そのため短時間に一気に振り付けやフォーメーションを覚えることになり、高い集中力が強要されます。
この緊張感はライブで一気に弾けることになりますので、その「反発力」「生々しさ」「刹那性」は彼女たちの武器になります。

もちろん猛訓練の上でのライブですが、決められた細い道を、ぎりぎりのところで落下しそうになりながら一気に疾走する姿は、Jazzの即興性にも通じるものがあります。
事務所がなぜこういうスケジュール組みをしているか僕は知りませんが、こういう危うさを「デタラメ」と表現することは可能でしょう。

が、しかし。
百田夏菜子は、自分の言葉としては「インチキ」という単語を使っています。
この言葉は「国民的なアイドル」との比較の中で出てきました。
「国民的なアイドル」と言えば、今の時代、AKB48をおいて他には存在しません。
ファンの数やCDの売り上げ、そして業界の側から見た時にどれだけ資本価値があるかと言えば、比べものにならないでしょう。

ぼくは基本的にテレビは観ませんので、AKB48にどういうメンバーがいて、どういう個人名の人たちの集団なのかほとんど知りません。
だけどAKB48に関して確実に知っていることが一つだけあります。
それは彼女たちが、公演やテレビ出演において、リップシンク(いわゆる口パク)をしていることです。
リップシンクの歴史は案外長く、アメリカなどではかなり普通におこなわれています。
「一体なぜそれが悪いのか?」という擁護意見も多数聞きます。

僕には、「歌手には歌って欲しい」という単純な希望がありますが、AKB48の詳細を知らずして批判みたいなことを言うのはやめておきます。
ももクロは、歌のほとんどの部分が「生うた」です。
激しい踊りの中で音程が安定しない時もあります。いや、あれだけ踊ってなぜ息が切れないか不思議なほどです。

では「国民的アイドル」の口パクが「正統」ならば、ももクロの生うたは、一体何なんでしょうか?
ライブで音が外れたり、歌詞を間違えたりするならば、それは人からお金を取って見せる芸としては「インチキ」なのではないか?
みなさんは「正統」と「インチキ」のどちらの歌が好きですか?
ぼくは、この「インチキ」という言葉に百田夏菜子のプライドを感じます。

ですが、そうは言っても、ももクロのメンバーの歌唱力はびっくりする程すぐれている訳ではありません。
元々が「踊りが好き」というメンバーが集まって作られたグループです。
第一、彼女たちの事務所は女優さんを養成するところで、歌手志望の女子は、はなからいません。
百田夏菜子も、単に踊りが好きな女の子だったのかも。
女優になりたかったけど、「北川景子」や「柴咲コウ」のようには華がない平凡な女の子だったのかもしれません。
だから彼女は、自分の歌に不安を持っているのではないでしょうか?

ある番組でMCを務める久本雅美から「お前も歌手やろ?」と突っ込みを入れられたMCアシスタントの百田夏菜子が「歌手ねええ??」と首を傾げるシーンを動画で見ましたが、あれは謙遜ではないように思います。
自信が無いのではないでしょうか?

「プライド」と「不安」が入り交じった揺れる心を「インチキ」と表現しているのかなと僕は感じます。

追記)ぼくは幼少の頃からアイドルにはまったく興味が無く、ここで書いていることは的外れかもしれません。
アイドルの歴史も知りません。ですが敢えて一言。
ももクロの音楽の系譜を「ピンクレディー」に求める意見があることを知りました。
なるほど、あの一世を風靡した踊りですね。
しかし両者には決定的な違いがあると思います。
当時日本中の子どもたちはピンクレディーの振り付けを真似しました。
ですが現在はそうではありません。
だってそれはそうでしょう。あんな激しい踊り、真似できませんよ。

気が付けばこの時間2013年05月14日 23時13分32秒

帰宅してからずっと原稿を書いていたら、こんな時刻になってしまいました。

「もの」になるかどうか分かりませんが、ある産科医におこなったインタビューがきちんとまとまれば、web「g2」に掲載をお願いできるかもしれません。

その時はまた皆さんにご報告しますね。

ああ、肩が凝る。良い椅子が欲しいな。

ソファを買った2013年05月15日 23時19分58秒

わが書斎にソファが
先日、模様替えをした我が書斎を公開しました。

今日はその部屋に新しいソファがやってきました。
ソファの最大の目的は読書です。
場合によっては昼寝もするかもしれない。
二人掛けの小さなサイズですが、大きさといい、色といい、この部屋にはぴったりでしょう。

ただちょっと化学繊維のせいなのか、匂いがきついんですよね。
しばらくは我慢が必要かもしれません。

お値段以上! と言いたいところですが、ま、それは匂いが消えてからでしょう。

さて次はいよいよ椅子です。
SOHOという言葉がありますが、ぼくはクリニックの事務仕事の相当の部分をこの書斎でやっていますから、事務用の椅子としてちょっと妥協はしたくありません。

良い物を選びたいですね。
だけど、アーロンチェアもミラチェアもコンテッサも、良い椅子という意味においては甲乙付けがたい、付けられないということも分かってきました。

人生の残り時間が少なくて焦る2013年05月16日 22時53分31秒

そう言えば昔、こういう本を読んだなと思って本棚を探したらありました。
川喜多愛郎先生の「医学史と数学史の対話」です。

1992年の本ですから、ぼくが大学院生だった時に読んだはずです。
あの時は、難しくてよく分からないなというのが正直な感想でした。
今日、数10ページを読み返してみましたが、やはり難しいところが多々あります。

要するに、自分には教養がない。だから理解できない。
医学部の学生時代、医学史を学ぶことはなかったし、医者になってからもそういったことはまったく教わりませんでした。
ま、教えられる人がいなかったのでしょう。

ですが、良い医者であるためには「教養」が必要です。
豊かな人間性と言ってもいい。
そして未来の医療を洞察するためには医学史を知る必要があると、先日ここで書いた通りです。

川喜多先生は外科学を「人間機械論」で理解しています。
「悪い部分を取る」「故障した部分を修復する」
そして「臓器を取り替える」
たしかに外科学にはそういう部分が多々あり、従って「教養」も要らないし、「医学史」を知る必要もないのかもしれません。

そう考えると、自分が歩んできた道にいかほどの価値があったのかと非常に心許なくなります。
大学院で、川喜多先生をはじめ、真の学者に出会えたことが、せめてもの救いでしょう。

悔いても仕方ありませんから、残りの人生にラストスパートをかけて、「歴史」を学んでみたいと思います。
時間不足で若干、焦りますが。
まあ後10年くらいは頭はシャープでしょう。
10年計画で本当に必要な本をコツコツと読んでいきましょう。

ロッテ爽!2013年05月17日 23時36分53秒

爽! から飛び出すももクロ
ロッテ、アイスクリーム爽のフタにiPhoneをかざすと、ももクロが飛び出してきて、歌って踊ります。
まあ、何と感想を言ったらいいかよく分かりませんが、家内は大いに喜んでいました。

寿司会席で骨休め2013年05月18日 22時37分28秒

デザート、美味い!
先輩と後輩の開業医で集まって、ビールを飲みました。

楽しい時間はあっと言う間に過ぎていきます。
まあ、またいつでも会えるでしょう。

写真はリコーGR Digital IV で撮影したデザートです。

30年ぶりの村上陽一郎先生2013年05月19日 20時45分49秒

ペスト
最近書評を全然書いていませんが、これは読書をしていないということではなく、本のジャンルが専門書ばかりだからです。
本日読了した本は、村上陽一郎先生の「ペスト大流行」です。

村上先生と言えば、科学史で高名。日本を代表する先生でしょう。
(ちなみに、奥さんは、僕がドイツ語を教わった先生)
ぼくは大学生の時に村上先生の著作を読ませて頂いていますから、おそらく30年ぶりくらいに「再会」したことになります。
今回この本は古本として落手しました。

大変な良書だと感じ入りました。
14世紀の欧州のペスト大流行を主軸にしていますが、医学の歴史をヒポクラテスの時代にまで遡り、流行の地理的広がりを東西に広げ、ペスト流行がもたらした社会的・政治的な影響についても語っています。
宗教とか信仰に関する部分も大変重要で、「鞭打ち運動」と呼ばれる「天国泥棒」は大変興味深く読みました(おおよそのことは知っていましたが)。
パニックが起こるとマイノリティーが弾圧されることは、我が国における関東大震災でも同様ですが、中世欧州でもユダヤ人狩りという痛ましい事件が起きています。
これも大事な指摘でしょう。

こんなことを書くとクリスチャンに抗議を受けそうですが、キリスト教というのは、どうも「愛と寛容」を説きながら、非寛容的な宗教に思えます。
村上先生もそのことを指摘しています。

賃金労働者の発生を以て資本主義の発生と考えるそうです。
ペストによって欧州の人口は半分になり、荘園制度は崩壊し、農奴は解放され、(売り手市場になってので)賃金労働者に昇格しました。
従って、欧州ではペストによって資本主義が始まった訳です。
何度もこのブログで書いていますが、「ペスト」と「天然痘」は人類史を替えたと思いますね。

しかしこれが先生の修士論文だったというのだから、驚きます。
知性がぼくとは桁違いなんでしょうね。
医者という人種は教養が無いとつくづく思い知らされます。

医学史を専門に研究しているのは、日本では順天堂大学だけなんです。
しかし以前にも触れたように、僕の恩師の恩師である川喜多愛郎先生は、日本を代表する医学史の専門家です。
その川喜多先生とせっかく縁があったのだから、「医学」と「歴史」をもう少し、時間をかけつつ学んでいこうと思います。
川喜多先生は、講談社の「野間科学医学研究資料館」という医学蔵書にも関わっているんですよね(これは今はもうないと聞いています)。
先人が積み上げてきた「医学史」という学問が途絶えないように、何か役に立てればいいなと思いますが、まずその前に、自分が勉強しないとまるで意味がないですね。

こんなつらい思いをしないですんだ2013年05月20日 19時18分03秒

新聞各紙に以下のような記事が掲載されています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
北海道函館市の産婦人科医院で2011年、胎児の染色体異常を調べる羊水検査でダウン症と判定結果が出たのに、院長が逆の説明をし「妊娠を継続するか中絶するかの判断の機会を奪われた」として、道南地方に住むの両親が、慰謝料など約1千万円の損害賠償を求める訴えを20日までに、函館地裁に起こした。男児は誕生して3カ月後に、ダウン症の合併症のため死亡した。
 弁護士によると、両親は「説明ミスがなければ、こんなつらい思いをしなかった」などと話しているという。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このご両親には心からお悔やみを申し上げたいと思います。
天国に逝った赤ちゃんには、どうぞ安らかにお眠り下さいと声をかけてあげたいです。
そしてこういういい加減な「医療行為(検査結果を間違って伝える)」は、今後、二度と起きて欲しくないです。

しかし。

胎児がダウン症という理由で、妊娠中絶できる権利は親にはないはずです。
それは法律を読めばわかります。
生命をその質によって選別することは法で禁じられています。

この報道の論旨から言えば、ダウン症と分かっていれば親は赤ちゃんを堕胎したということです。
自分の子どもを差別することが許されるのか?
そしてこの訴訟は、現在、世界中で生きているダウン症の人たちを差別していることになります。
そういった優生学的な考え方が許されるのでしょうか?

この両親はお金を払って羊水検査(保険は利かない)を受けた訳ですから、間違った結果を知らされたことによる損害賠償は受け取って然るべきでしょう。
ですが、「堕胎する権利を奪われた」ことに対する賠償など、決して認められるべきではありません。

正確な結果を知らされていれば「こんなつらい思いをしないですんだ」のですか?
人工妊娠中絶して、つらくないんですか?

3カ月の人生を駆け抜けた赤ちゃんは、親が中絶する権利を奪われたから訴訟すると天国で聞かされて、いったいどう思っているでしょう?
ぼくはこの赤ちゃんが本当に不憫でなりません。