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人類史と医学の接点 ーーー天然痘について2013年05月02日 22時23分04秒

ヒトはほかの哺乳動物に比べて遺伝子のバリエーションが少ないそうです。
たとえばチンパンジーでは、ヒトの10倍以上の「個性」がある。
なぜヒトの遺伝子は誰もがほとんど一緒なのでしょうか?
それはヒトの起源がかなり数少ない個体から枝分かれしたからです。
7万5千年前に起きたインドネシアの火山の大爆発は、地球上を火山灰で覆い尽くし氷期を招きました。
人類はあやうく絶滅するとことで、この時に生き残った人類はわずか1000人から1万人くらいと想定されています。
ですからヒトはこの時点で、遺伝子の多様性を失ったのですね。

さて、人類の10万年の歴史を見てくると、そこには当然医学との接点があります。
「7万5千年前のインドネシアの火山の爆発」に比肩しうる医学上の大きな出来事とは一体なんでしょうか?
それはずばり、ペストと天然痘の流行だと思います。
もしヒトに、病原菌と闘う知能が無ければ人類は滅亡していたでしょう。
ペストに関しては何度かここで書いたので、今日は天然痘について書きます。

天然痘ウイルスはこれまでに5億人の人間を殺したと言われています。
アステカ・インカ文明は天然痘によって滅びたようなものです。
この恐ろしいウイルスもワクチンによって次第に減少していきました。
ぼくらが幼少の頃は、天然痘の予防接種をうったものです。
そしてWHOの血のにじむような努力があり、1980年にはウイルスは根絶されました。予防接種もおこなわれなくなりました。
ですからこれを読んでいる若い人たちは、天然痘のワクチンをうっていないでしょう。
つまり免疫がない。

1990年代、アメリカとソ連は天然痘ウイルスを保管していました。
自然界からウイルスが消えたのだから、実験室の中のウイルスを破棄しようという話になりました。
ですが、、、、もしどこかの国が「生物兵器」として天然痘ウイルスをばらまいたら人類はどうなるのか?
アメリカは2001年にウイルスの破棄を中止しました。
ちょうどぼくが、分子ウイルス学教室で小児がんの遺伝子研究をしていた頃です。

ソ連が崩壊してこれまで秘密にしていた情報が明るみに出てきました。
どうやらソ連は「ペスト」と「天然痘」を生物兵器として複数の国に分与していたようなんです。
アメリカがイラクに因縁をつけて戦争に持ち込んだのも、この天然痘ウイルスの存在があります。

従って、アメリカの軍人や日本の自衛隊員は、天然痘ワクチンを接種しています。
「LC16m8」という副反応少ない良質なワクチンがあるんですね。
実はこのワクチンは、天然痘が撲滅される寸前に開発された新しいタイプなので、当時は必要とされず、事実上封印されていたんです。
それが2001年同時多発テロ以降、重要なワクチンとして急浮上してきた訳です。
もし、どこかの国家あるいは集団が世界中に天然痘ワクチンを撒布するようなことがあれば、私たちは「LC16m8」をうたねばなりません。
え? そんなことあり得ない?
バイオテロの(悪い意味での)先進国は日本ですよ。
オウム真理教事件を思い出してください。

さて、この「LC16m8」を開発したのは、橋爪 壮先生。
川喜多愛郎門下の一人で、千葉大微生物学教室(今の分子ウイルス学)の先生です。
ぼくも何度もお会いしました。
ぼくが青春を過ごした教室の先輩たちは、Vero細胞を樹立したり、「LC16m8」を開発したり、人類史にものすごく大きな貢献をしているんです。
若い時にはそういうことがよく分かりませんでしたが、年齢を重ねて、歴史を俯瞰するようになると、地味でも意義のある大きな研究が浮かび上がって見えてきます。

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