アクセスカウンター
アクセスカウンター

「医療幻想: 「思い込み」が患者を殺す」 (ちくま新書) 久坂部 羊2013年03月19日 20時14分13秒

久坂部 羊さんの本はどれも面白い。
フィクションでも、評論でも、ノンフィクションでも。
文体も好きだし、語られている内容もいい。
以前に幻冬舎新書の本を2冊読んだことがありますが、とてもいい作品でした。

本書で提起する医療問題は、ことごとくぼくは「賛成!」という感じで実に気持ちがいい。
波長が合うんでしょうね。
ぼくは小児外科医で、久坂部さんは老人医療(終末期医療)ですから、接点がないようにも思えるのですが、共有する問題意識は同じということでしょう。
いや、「小児」と「老人」で目指すものが全然違うから、案外、意見の衝突がないのかもしれません。

昨日書いた書評はちょっと厳しかったかもしれませんが、やはりこの本のように、医者が医療問題を書くと深みが全然違うと思います。
だって、医者は人が死ぬ瞬間を看取っているんですもの。
当たり前かもしれませんね。
お勧めです。