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「東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと」 (幻冬舎新書) 菅 直人2012年11月07日 21時12分25秒

東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと
自分で書いたということはあり得ないので、語り下ろしでしょう。
ですが、大変密度も濃く内容も整然としています。
つまりよくできた本です。

この本で初めて知ったことが二つあります。
それは総理大臣が最悪のシナリオを想定して、福島原発250キロ圏の避難を考えていたこと。
その人口は5000万人ですから、実際にはありえません。
つまり原発事故が最悪のケースを辿った場合、日本という国家は崩壊していたということです。

そしてもう一点。
福島原発の2号機から最も多くの放射線物質が漏れたことは周知のことですが、2号機は構造のどこかに穴が開いて、偶然、爆発を免れたらしいのです。
その理由は今でも不明。
つまり「神風」が吹いた訳です。

菅さんは東工大の出身で物理を学んでいたために、「津波で電源喪失」と聞いただけで、「冷却不可」→「メルトダウン」とすぐに理解できたようです。
自民党の偉い人が総理を務めていたら、東電の撤退を容認したでしょう。
そうなっていたら、原発事故は制御不可能だったかもしれません。

強い責任感で仕事をした菅さんにさんざん悪罵が投げつけられました。
なぜでしょうか?
例によって、読売新聞と産経新聞の誤報もあったし、自民党の今の総裁が発したデマもありました。
それはやはり、「脱原発」などと言ったからです。
そういうことを言うとこの国では政治家として生きていけません。

今度の総選挙では自民党が大勝すると言われています。
自民党は原発の継続を主張していますから、残念ながら菅さんが思い描くような近未来はやってこないでしょう。

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