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「墜落の夏―日航123便事故全記録」 (新潮文庫) 吉岡 忍2012年09月10日 23時42分38秒

墜落の夏―日航123便事故全記録
1985年の事故ですから、今からもう27年も前の出来事になります。
佐野眞一さんが「ノンフィクションの花は評伝と事件」と言っていたので、宮本常一さんの評伝の次に、この事件に関する記録を読みました。

日航機墜落に関しては、だいぶ前に「墜落遺体」という本を読んで衝撃を受けました。
この本にも「遺体」という1章がありますが、やはり正視できないというか、正読に耐えないという感じです。

この本のすごさはまさに「全記録」という点にあると思います。
事故に関する何から何まで、すべてを記録しているので「墜落遺体」のように心に深く残る部分は弱いように感じますが、この取材の厚さと「記録性」はやはり賞賛に値すると思います。

ぼくもどうも歳を取ったせいか、人が「死ぬ」という話を聞くだけで恐怖感を覚えてしまいます。
それが520人なんですから、その恐怖たるや、まるでホラー小説を読んでいるような怖さでした。

飛行機でも医療でも同じですが、事故は必ず起きると考えるべきです。
それを前提にして、あり得る事故を防ぐ、これを考えないと本当に事故が起きます。
原発だってそうですよ。
これからも原発事故は必ず起きます。
だから事故を前提に対策を練る必要があるのです。