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「無縁社会」 (文春文庫) NHKスペシャル取材班2012年07月17日 21時29分38秒

無縁社会 (文春文庫)
この本は大傑作だと思います。

まず企画がいい。
企画がいいから内容がいい。
その内容は実に考えさせられるし、どれだけ裕福な人でも自分にあてはめて考えてしまうテーマでしょう。
なぜこれだけの内容が盛り込めたのか?
それは取材力がすごいからです。

だってNHKだもん。
スタッフの数や財力は、無尽蔵と言ってもいいくらいのパワーです。
これだけのパワーがあって、なおかつ、NHKという金看板があれば相当なことを取材することが可能でしょう。

だからぼくは文学としては評価できない。
複数の筆者が分担して書いているので、本に文体がないし。
でも、内容だけを取り出してみれば、それはもう本当にすごい世界が広がりをもっています。

そういう意味では、DVDでもいいのではという疑問も沸いてきそうですが、やはりテレビ番組と本とでは、内容量がまるで違います。
取材したものを放送しきれなかったので、本を作ったのでしょう。

私たちの社会が今どういうふうになっているか、政治、経済、文化、人口、男女、人権、いろいろな面から分析可能でしょう。
しかし「縁」という切り口でその断面を覗けば、実に鮮やかに私たち自身の正体が露わになります。

超・お勧めです。