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アホですみません!2012年07月13日 21時41分07秒

今日のクリニックは患者さんの数は多くはありませんでしたが、内容が濃く、終了した時は定時を1時間もオーバーしていました。
特に夕方は大変混雑しました。

ところがそんな混雑の真っ最中に、千葉大医学部のラグビー部の学生から電話が入り、ぼくと話をしたいと言ってきました。
患者さんが1時間以上も待合室で待っているのに、ぼくがなぜ、学生と話ができるのか?
話の用件は聞かなくても分かっています。
寄付の依頼です。

1分でも1秒でも、時間は無駄にしたくありませんから、電話にはでませんでした。
しかしこの、まったく社会常識の無い学生に対して、大学医学部はどういう教育をしているのでしょうか?
開業医は日中から、へらへらしながらお茶でも飲んでいると思っているのか?
寄付を寄越せ、つまり金をくれという頼みは電話一本で済むと思っているのか?
こんなアホな人間が医者になっていったいどういう医療をやるんだ?

と、まあ、激しく非難してみるものの、ぼくも学生の頃、先輩の命令でOBの先生に寄付をもらいに行ったな。
呼吸器外科の先生で、その時は生化学の研究室で研究をしている真っ最中だった。
もちろん、初対面。
その先生は、心の底から、ほんと〜に迷惑そうな表情で寄付を断った。
だから、まあ、ぼくもアホだった訳です。
アホのまま研修医になり、こんなアホなのに給料をもらってもいいのかと疑問に思い、数多くの反面教師の先輩方に出会い、子どもの死にたくさん立ち会い、どこかで、人生を真面目に考えるようになって、最後には人様の前に出ても恥ずかしくなく医者になった訳です。

ですから、今日、ぼくのクリニックに電話をかけて来たアホな医学生君も、いつかまともなる可能性も無い訳ではありません。

だけど、今の研修医システムだと、「患者」を「患者様」と呼ぶ上辺だけの装いが身について、ぼくの時代のように患者が亡くなるまで患者を見続けるような根性や気合いや情念はありませんから、ま、ぼくのような医者にはおそらくなれないでしょう。
もっとも現代の医療は分業制なので、医者はパーツを担当してマニュアル通りに動けばいいので、名医は要らないという感じでしょう。

いずれにしても、千葉大医学部ラグビー部からの電話はすべてとりつぎ不可とスタッフに徹底しました。
人に物を頼む時は、手紙を書くくらいの最低限の礼儀を弁えましょう。