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「ネグレクト―育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか」 (小学館文庫) 杉山 春2012年06月30日 22時51分01秒

ネグレクト―育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか
大変興味深く読みました。
そしてとても勉強になりました。
こういう内容の本はぜひ多くの人に読まれて欲しいと思います。

「説明するな、描写せよ」とは髙山文彦さんのお師匠さんである大下英治さんの言葉ですが、この本は説明が少し多いかなと思いました。

もちろんそれは作者の意図なのでしょうが、ネグレクトについて専門的なことを知りたければ、解説書・専門書を読めば良いという理屈も成り立ちます。
しかしそれでは不親切。
知らない人には解説してあげなければならない。そこが本を書くうえで、難しいのでしょうね。

では「描写」の部分が弱かったのかと言えば、まっやくそうではない。
だからこそ、評価の高い本なのでしょう。
もし過剰な「説明」をばっさり削ると仮定すると、この本はとてつもなくシャープなノンフィクションに仕上がったと思います。

巻末に野村進さんが「解説」を書いていますが、やはり野村さんの文章は本当にうまいと思います。