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「キャパになれなかったカメラマン ベトナム戦争の語り部たち」(講談社文庫) 平敷 安常2012年06月03日 14時06分07秒

キャパになれなかったカメラマン ベトナム戦争の語り部たち
文庫本になったので読んでみました。
上下巻で優に1000ページを越す大著です。
読むのに時間がかかりました。

ベトナム戦争の10年間の取材経験の回顧録です。

この本で一番良いのは平敷さんの文章です。
ジャーナリストがよく使う表現方法ですが、文章を「現在形」でまとめる。
読み手は、平敷さんと一緒にベトナムの現場にいるように感じることができます。
それと同時に分かりやすい解説も加わっていますから、40年も昔のベトナムの状況が理解しやすい。
ま、要するに文章がうまい訳です。

そして良い点がもう一つ。
それは平敷さんの人柄。
「キャパになれなかった・・・」というタイトルからして、彼の人間性の謙虚さが出ています。
もちろん、タイトルだけでなく、多数の記者とコンビを組む中で、彼の性格の良さは文章のあらゆるところから滲んで出てきます。

しかし40年前の経験を、取材メモが残っていたとは言え、この精密さ、このボリュームで書けるというのはすごいことだと思います。

取材をして、何かを探求するというノンフィクションももちろん素晴らしいのですが、自分の人生には誰しもドラマがあるはずです。
そのドラマを簡単になぞるのではなく、奥の方まで覗き込めばこういった深みのある作品が生まれるのでしょう。

しかし本書が完璧無比の作品と手放しで賞賛することも、ぼくにはできない部分があります。
それはやはり「ベトナム戦争」に対する歴史認識です。
沢田教一には、難民家族への温かい眼差しがあったと筆者は誉めています。
では、平敷さん自身はどう考えていたのでしょうか?
そのあたりは、本書の趣旨には当てはまらないので、別の本に書いてあるのかもしれませんね。