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「黒澤明という時代」 (文春文庫) 小林 信彦2012年03月14日 23時20分13秒

黒澤明という時代
薄い本なので、一気に読んでしまいました。

この本自体の評価は何とも言えないのですが、こういう本が存在すること自体が、黒澤明が偉大であることを証明しています。

一人の監督が作ったすべての映画を論評する本ですからね。
そんな映画監督さんは、世界中にほかにいるでしょうか?
黒澤さんと比肩しうるのは、アルフレッド・ヒッチコック監督くらいじゃないでしょうか。

黒澤明の作品には、失敗作はあるけど、駄作・凡作はないんですよ。
なぜならば、自分で脚本を書いて、編集をするから。

アップルの製品がソフトもハードもすべて作るのと似ています。
アップルにも失敗作はあるけど、凡作はないでしょ?

この本の作者の小林信彦さんに限らず、多くの人が、「影武者」以降の黒澤作品を批判しますが、高齢になった黒澤さんの作品を「七人の侍」を作った頃の若き黒澤さんのアクティビティーと同じ線上で論じるのは、ぼくはかなり無理があると思います。