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「実践・世界言語紀行」梅棹忠夫(岩波新書)2010年07月25日 13時40分36秒

こういう本を読むと、インテリというのはどういうものを指すのかがよく分かりますね。
僕たち医者とは全然違います。
医者っていうのは、エンジニアであり、特に外科医は職人さんです。
僕は、手術は頭でするものだと思っていますが、ま、そういうことを言う外科医はほとんどいないでしょう。

世界は広い。
言語は世界に3000。
人種とか民族とか文化とか国境とか国家とは何かということまで、自然と考えてしまいます。

世界の言語の中で、日本語は簡単な言語だという指摘は説得力がありました。

「英語」=「国際語」みたいに思っている日本人ってすごく多いと思いますが、それがいかに馬鹿馬鹿しい発想か、この本を読めば分かります。
まあ、そういう風に思っている人は、この本を読まないか。

この本は、梅棹さんが両眼失明してから書かれた作品です。
もちろん、口述筆記ですが、資料などは読めない状態で本を作った訳ですから、その知力には驚くばかり。

世の中にはすごい人がいると本当に思い知らされます。
医者はやっぱり世界がちょっと狭すぎますね。