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さようなら、梅棹忠夫さん2010年07月06日 20時43分23秒

梅棹忠夫さん90歳
梅棹忠夫さんがお亡くなりになりました。90歳だったそうです。

梅棹さんといえば、何と言っても「知的生産の技術」です。
高校生の頃に読んで、その知的な思考方法に多いに憧れたものです。
そして実は最近、この本を買い直して再読しました。
読み終わったのはつい先日です。

この本のすごいところはたくさんあって、とても書ききれないけど、一番すごいのは「日本語」だと思います。

1969年当時の日本では、こういう「分かりやすい」「合理的で」「シンプルな」日本語を書く人ってほとんどいなかったと思います。
その文章の美しさは、40年を越えた現代にも生きています。

立花隆さんは、「知のソフトウェア」で、梅棹さんの「京大式カード」を一刀両断に批判していますが、二つの本の間には14年の年月があります。
同時代に批判していれば、それなりの価値があったと思いますが。

また、梅棹さんは、本多勝一さんの「お師匠」としても知られています。
傑作ルポ「カナダエスキモー」の取材の前に、本多さんが梅棹さんにアドバイスを求めにいったエピソードは、僕にとっては忘れがたいものです。
この結果、「カナダエスキモー」の文章の出だしは、大変印象深いものになりました。
もしかして、このアイデアって、その後、50年間の今日に至るまでのルポの「スタイル」を決めてしまったのではないでしょうか?

人の命は、有限です。
これだけは誰も平等で、不老不死はありえません。
でもやはり、寂しいですね。

さようなら、梅棹忠夫さん。

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