「がんを生きる」(講談社新書)に感動する ― 2010年05月10日 19時30分13秒
都立駒込病院の院長・佐々木常雄先生が書かれた本です。
タイトルは「がんを生きる」、しかし、これは同時に人間はどのように「死」を迎えるかということを描いています。
日本人の二人に一人はがんになり、三人に一人はがんで命を落とします。
つまり「がんを生きる」というテーマは、他人事ではなく、私たち自身の人生の終末そのものなのです。
「がん」という病名を隠して、患者さんにウソをつき通す時代は終わりました。
患者さんの権利が強くなり、現代医療では「説明と同意」が無ければ医者は治療を行うことはできません。
従って、あなたが末期がんにかかって、余命があと3ヶ月だとすると、医者はそういった事実をあなたにはっきりと言います。
本人に病名を告げるかどうか、家族と相談する、、、そういったことも今後急速に無くなっていくはずです。
なぜならば、「患者本人」の同意が無いのに、病名を家族に知らせることは、個人情報の暴露になるからです。
そうすると私たちは、いつかある日、目の前の医者から「残念ですがあなたの命はあと3ヶ月です」と言われるかもしれません。
その時、私たちはどうやって、その限られた余命を受け容れる、いや、受け容れないであがこうとするのでしょうか?
死を乗り越える方法は、(一部の人を除き)宗教ではありませんし、また、もちろんなんらかの医療マニュアルではありません。
死に対する向き合い方は、一人ひとり別々でしょう。
ですから、結局、医師は患者と対話を重ねるしかないのです。
佐々木先生はそうやって対話を重ねてきました。
その中には、死の恐怖を乗り越えるヒントみたいなものも垣間見えます。
僕自身は、大学病院を中心に203人の小児がんのお子さんと共に闘い、そして56人の命を失いました。
56の魂が消えていく中で多くのことを考え、自分なりの死生観を作り上げてきました。
ところがこの本を読んで、自分が学んできたものの中の、未成熟な部分、傲慢だった部分、考えが及ばなかった部分、そういったものが炙り出されてきました。
医療関係者はもちろん、少しでも多くの人に、この本を読んで頂きたいと思います。
そしてぜひ佐々木先生に手紙を書いてみてください。
きっと真摯な応えが返ってくると思います。
名著です。
何十年も読まれる本だと思います。
タイトルは「がんを生きる」、しかし、これは同時に人間はどのように「死」を迎えるかということを描いています。
日本人の二人に一人はがんになり、三人に一人はがんで命を落とします。
つまり「がんを生きる」というテーマは、他人事ではなく、私たち自身の人生の終末そのものなのです。
「がん」という病名を隠して、患者さんにウソをつき通す時代は終わりました。
患者さんの権利が強くなり、現代医療では「説明と同意」が無ければ医者は治療を行うことはできません。
従って、あなたが末期がんにかかって、余命があと3ヶ月だとすると、医者はそういった事実をあなたにはっきりと言います。
本人に病名を告げるかどうか、家族と相談する、、、そういったことも今後急速に無くなっていくはずです。
なぜならば、「患者本人」の同意が無いのに、病名を家族に知らせることは、個人情報の暴露になるからです。
そうすると私たちは、いつかある日、目の前の医者から「残念ですがあなたの命はあと3ヶ月です」と言われるかもしれません。
その時、私たちはどうやって、その限られた余命を受け容れる、いや、受け容れないであがこうとするのでしょうか?
死を乗り越える方法は、(一部の人を除き)宗教ではありませんし、また、もちろんなんらかの医療マニュアルではありません。
死に対する向き合い方は、一人ひとり別々でしょう。
ですから、結局、医師は患者と対話を重ねるしかないのです。
佐々木先生はそうやって対話を重ねてきました。
その中には、死の恐怖を乗り越えるヒントみたいなものも垣間見えます。
僕自身は、大学病院を中心に203人の小児がんのお子さんと共に闘い、そして56人の命を失いました。
56の魂が消えていく中で多くのことを考え、自分なりの死生観を作り上げてきました。
ところがこの本を読んで、自分が学んできたものの中の、未成熟な部分、傲慢だった部分、考えが及ばなかった部分、そういったものが炙り出されてきました。
医療関係者はもちろん、少しでも多くの人に、この本を読んで頂きたいと思います。
そしてぜひ佐々木先生に手紙を書いてみてください。
きっと真摯な応えが返ってくると思います。
名著です。
何十年も読まれる本だと思います。
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