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床屋で落涙 草深竹志先生を悼む2009年09月16日 18時30分22秒

今日は月に1回の外来診療のために、大学病院へ行ってきました。
そしてそこで、大変ショックな話を聞かされました。
日本大学小児外科教授の草深竹志先生が亡くなったというのです。
草深先生は、年齢がわずかに僕より2歳くらい年上。
専門は小児がんですから、僕とは10年以上のお付き合いでした。

学会で会えば必ずロビーで話し込みますし、会場ではたくさんディスカッションをしました。

小児外科の王道を歩むような先生でした。
地に足が着いた議論をし、基礎研究も芯を外さないしっかりしたものでした。
小児がんの手術は徹底した摘出術を行い、強い意思で最後までやり遂げる手術でした。

しかし私服の先生は、眼鏡の奥にいつも温厚な目を輝かせて、微笑の柔らかい人でした。

人の命に限りがあることは、その通りですが、いくら何でもこの若さで命を持っていかれるとは、本当に無念だったでしょう。

僕はいつも、外来診療が終わった後は夕方からのカンファレンスに参加するのですが、今日はショックのあまり気分がすぐれず昼過ぎに帰宅しました。

しばらくふさぎ込んでいましたが、気分を換えるために散髪に出かけました。
するとなぜか、6歳の次女がついて行くと言います。

髪の毛を切っていると、待合スペースで待っている次女は、鏡を通して僕に手を振ったり、「父ちゃーん」と声をかけたり。
草深先生にも小さいお子さんがいますから、それを思うと何とも切ない。

ふと鏡を見ると、僕の頬に涙の破片が。

先生。
また会いましょう。
そして会って、小児がんの手術の術式について、これまでの続きを議論しましょう。

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