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責任者は誰?2007年04月24日 20時08分04秒

4月に入ってクリニックはガラガラでしたが、今週は一転、忙しくなりました。
この2日間で150人くらいの患者さんがお見えになって、患者さんも長時間待たされてうんざりといった表情です。
短い時間の中で質の高い医療をするのは本当に難しい。大学病院みたいに、質の高い医療を時間をかけて行なうことは決して難しいことではありません。厚生労働省は、大病院に患者さんがなるべく来ないように改革を計ろうとしていますが、そうすると開業医はますます忙しくなる訳ですね。

厚生労働省は限られた予算の中で改革をしようとするから、いや、せざるを得ないから、あっち立てればこっち立たずのお粗末なことしかできません。
わずか数年前には、一定の数の手術件数をこなしていない施設では、手術をしてもその料金が安くなるという「大改革」をしました。
理念は分かるのですが、実際にやったことは滅茶苦茶でした。
『乳児の手術』において、千葉大小児外科が基準を満たすことができないのです。日本に冠たる千葉大小児外科がです。ところが、東大小児外科は満たしていました。これは、小児外科の他に、心臓外科医が乳児の手術を行なっていて、全体としての乳児の手術の数が多かったからです。
違う2つのものを足して、数が多いとか少ないとか、、、あまりのレベルの低いものの考え方に啞然とします。
当然、このシステムを厚生労働省は撤回しました。
しかし、この壮大な無駄の責任を誰が取るのか?
僕たちにはこのシステムが、ほとんど机上の空論であることが一目で分かってしまいました。しかし、これを厚生労働省に撤回させるためには、きちんとしたデータが必要です。日本小児外科学会は、全国の小児外科施設にアンケート調査をして乳児の手術数の実態調査を行ないました。
千葉大学小児外科では助教授の先生がその任に当たりました。一日の診療が終わった後で、手術件数の統計計算を一生懸命やるのです。もちろん、こんなことは悪い意味での『雑用』で、何時間働いても残業代など出ません。大学病院には「残業代」というシステムはありません。
で、日本中でこんな作業が行われて、学会が厚労省に申し入れた訳です。
これを壮大な時間の無駄と言わず何と言えば良いのか。
さらに一言を言っておくと、この手術数の基準を決めた人間は厚労省の役人だけでは無いはずです。彼らにはそんな専門知識はありません。日本のどこかの小児外科医が、この「基準作り」の作業に協力したはずです。
その小児外科医は、自分の施設は基準を満たすが、日本中のほとんどの施設がその基準をクリアできないことを知っていたはずです。
誰ですか、その医者は?
その小児外科医を、日本小児外科学会は除名すべきではないか。
だって、日本小児外科学会が、ものすごいエネルギーを使って、その医者が決めたことを撤回させた訳でしょ?日本中の小児外科医に荷重を負わせたその小児外科医に、学会にとどまる資格があるとは思えません。
さて、では厚労省の責任はどうなるのか。
こういう時に、個人の責任が追及されることは絶対にありません。こんな時に、「厚労省が悪い」とか言っても何の意味もありません。そのシステムの責任者は誰なのか、個人名を厚労省は示すべきだ。で、その役人は国民に向かって謝罪すべきです。
批判するときは個人名ですべきです。